ネットフル活用して松島誘客 「じゃらん元気な地域大賞」に2団体

<松島旅館組合>クーポンで宿泊客増 <松島温泉組合>絶景の湯 魅力を発信

 2022年度に顕著な実績を収めた宿泊施設などを表彰する「じゃらんアワード」の東北ブロックで、宮城県松島町の松島旅館組合(加盟13施設)と松島温泉組合(8施設)が、「じゃらん編集長が選ぶ 元気な地域大賞」に選ばれた。旅館組合はデジタルクーポンで誘客に取り組み、温泉組合は特設サイトを開設して温泉のPRを展開した。温泉組合は2年連続の受賞。

 リクルートが運営する旅行予約サイト「じゃらんnet」や旅行情報誌「じゃらん」が発表した。旅館組合はじゃらんnetの宿泊予約システムを使い、宿泊料金に応じて3種類のデジタルクーポンを用意。昨年8月から15の宿泊施設を予約する際に割引券として利用できるようにした。

 クーポン事業は、温泉のある宿泊施設で構成する温泉組合が2021年度に始めた取り組みを、加盟施設の多い旅館組合に拡大した。割引分を補助する町は22年度、事業費を2倍超の1000万円に引き上げた。予約が好調で、3000件分が11月に完売した。

 温泉組合は22年12月、じゃらんと連携して温泉をPRする特設サイトを開設した。キーワードは「おくのほそ道」の旅で松島を訪れた江戸期の俳聖松尾芭蕉。07年に初めて掘り当てられた松島の温泉は歴史が浅く、「芭蕉も味わえなかった絶景の湯」とアピールし、魅力発信に取り組んだ。

 表彰式は6月28日、仙台市のホテルであり、両組合の西條博也組合長は「デジタルクーポンは町や他の宿泊施設と協力したからこそできた事業。特設サイトに限らず、宿泊施設として歴史や文化といった松島の魅力を継続して発信していきたい」と謝辞を述べた。

 「じゃらんアワード」は12年に始まり、今年が10回目。東北ブロックでは、じゃらんnetの口コミ点数や取扱額が上位の施設の表彰もあった。

宿泊クーポン8月発行 最大5000円引き

 松島町の松島旅館組合(加盟13施設)は8月、物価高騰の影響を受ける宿泊施設への支援として、旅行予約サイトで使えるデジタルクーポンを発行する。2021、22年のデジタルクーポン事業が好評だったことから本年度も実施する。施設の利用を促進することで観光誘客を図る。

 クーポンは1500円、3000円、5000円の3種類を各1000セット用意。対象サイトで予約する際に、宿泊料金に応じていずれかを割り引き券として使える。利用期限は来年1月上旬に設定する。

 割り引きは町の補助金を受けて実施する。組合外の宿泊施設も登録すれば参加できる。町は、国の新型コロナウイルスの地方創生臨時交付金と一般財源を活用し、事業費1000万円を確保した。

 15施設で昨年実施したデジタルクーポンを利用した宿泊者は計8510人で、1億6000万円を超える売り上げがあった。町の担当者は「個人の予約の7、8割がオンラインになっており、クーポン事業が町内の観光施設や飲食業にも好影響を与えた」と話した。

タイトルとURLをコピーしました