帝国データバンクがパチンコホール業者の業績や今後の見通しを発表し、収益の落ち込みは続いているものの、その落ち込み幅が減少していること、ただし今後も新規則への移行があることから厳しい状況が続くとみていることが分かった。
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■2014年の19.5兆円から18年は15.8兆円に
30日、帝国データバンクが「パチンコホール経営業者の経営実態調査」を発表した。これは、企業概要ファイル「COSMOS2」の147万社から、2014から18年決算が判明しているパチンコホール経営業者1,892社を抽出し、売上高合計などについて調査・分析したもの。
1,892社の売上高合計は、2014年は19兆5,090億円だった。これが15年は18兆5,120億円、16年は17兆6,803億円、17年は16兆4,928億円、そして18年は15兆8,438億円となり、この4年間で18.8%(3兆6,652億円)減少した。
■売上高の減少率は縮小傾向に
ただし、4年間における売上高の減少率では、2015年の前年比5.1%減から、16年は同4.5%減、17年は同6.7%減、18年は同3.9%減となっており、18年が最も小幅の減少率に留まっていることから、「減少傾向に若干の歯止めが掛かりつつある状況もうかがえる」と分析している。
■収益が横ばいの企業が半数以上
4年間における増減収の企業数推移をみると、増収・減収・横ばいの企業数は、2015年が184社・911社・797社、16年が144社・950社・798社、17年が118社・892社・882社、18年が111社・757社・1,024社となった。増収企業は4年連続で減少しており、業界環境は売上規模の拡大が難しくなっている。一方で減収企業も3年連続で減少し、横ばい企業は4年連続で増加していることから、「底打ち感もうかがえる」としている。
■倒産件数が増加傾向
2005年以降の倒産件数では、2007年と2008年の72件が最も多い。負債総額では2007年の1,722億6,200万円が最大だった。2018年の倒産件数は26件、負債総額は111億2,000万円とピーク時と比較しては少な目ながら、倒産件数は16年の13件から、17年の21件、そして18年の26件と2年連続で増加している。2019年は4月までの累計で8件の倒産があり、2018年4月時点の3件を超えるペースであることから、3年連続で増加する可能性もある。
また過去にパチンコ業者の倒産件数が増えたのは、新規則への移行後だったことから、「倒産のピークは(新規則移行後の)2021年に迎える」とも予測しており、「新規則への移行期間中に、パチンコホール経営業者の倒産が大幅に増加する可能性も否定しきれない」としている。