一昔前までは「セレブカジュアル」なんて言葉が先行し、きらびやかでラグジュアリー(高級志向)なスタイルがトレンドとなっていました。
バッグももちろんラグジュアリー志向。バレンシアガやイブサンローランの高級バッグは飛ぶ様に売れ、「バレンシアガもどき」みたいなバッグも一時期多く流通しました。
◆時代は高級志向からナチュラル志向へ
2015年、時代はラグジュアリー志向から「ノームコア」に移行。
「ノームコア」とは普通(Normal)であることと、究極(Hardcore)であることを組み合わせて作られた造語。NY発祥のこのトレンドは、実にアメリカらしい、「飾らない普通の服を上手に着る」という肩肘張らないナチュラルなもの。
2015年春夏は日本市場もノームコアブームを受け、色落ちしたデニムやリラックスウェアともとれるシンプルなスウェットなどが人気となっています。
バッグも前述のラグジュアリー志向からナチュラル志向へと変化しており、きらびやかな装飾のついたレザーバッグから、ナチュラルで肩肘張らないリュックやデイパックなどが人気の中心に。
デザインのトレンドはもちろん「両手が空くので便利」「動きやすい」と機能面でも好評。今年はメンズレディース問わず非常に多くのモデルが市場で出回っています。
◆カラフル・森ガール風は痛い、無地やレザー使いが大人
そんな2015年トレンドのリュックやデイパックですが、「流行りだし楽なのもわかるけど……リュックって大人が持っていいの?」という疑問も感じるもの。
現在連載中の「日刊SPA!」においても男性向けリュック指南を書いたのですが、その後「40代ですが私もリュックを持って良いのでしょうか……?」というような質問を多く頂きました。
「リュック=若い人が持つカジュアルアイテム」というイメージが強く、30代40代の方は特に「自分が持って良いものか?」と気にしてしまうようです。
しかし上述の通り「リュック」は近年の大きなトレンド。ナチュラル志向「ノームコア」の要とも言えるアイテムです。
若い人向けだけではなく、「大人向けリュック」もしっかり展開されているので、デザイン選びさえ間違えなければ大人の使用ももちろんOKです。
「カラフルなアウトドアデザインのリュック」や「ひらひらとレースがついた”森ガール”的なリュック」などもありますが、これらは大人女子が持つとちょっとデザイン的にちょっと「痛い」。
大人女子が選ぶべきは「無地で黒のシンプルなもの」や「レザー使いをしている質感の上質なもの」などですね。
シンプルの極地、無印良品のリュック
新宿あたりのショップに行って「大人っぽいリュックありますか?」なんて聞こうものなら「15000円」「23000円」なんて高価なリュックばかり店員さんはススメてきますが、何もそんな高いものなんて買わなくても大丈夫。
この無印良品のバッグは手頃な価格ながら、完成度の高いデザインが人気。アパレルスタッフでも愛用者が多い、ちょっと話題のアイテムです。
丸っこすぎずボリュームも控えめな形、少々ツヤ感のある無地の素材、「これでもか!」というくらい無駄を省いたデザイン…とアウトドア感のない大人仕様のデイパック。
これなら30代40代の大人でも抵抗なく使えます。2980円と手頃な価格も嬉しい限り。
キャンパス+レザーもオススメ
また、無印良品のようにここまでシンプルでなくとも、素材にレザーなどを入れた大人っぽいデザインものなどもオススメ。オールレザーだと少し値が張るものも多いですが、キャンバスとのコンビデザインなら比較的手頃なものも多いです。
肝心なのは、ステッチやワッペンやプリントやレースなど「余計なデザイン」が入ってないこと。シンプル無地で大人が持つにふさわしいものを選ぶと良いでしょう。
「山登りに行くの?」と言われないように……
また「リュック」と聞くと「カジュアルな服装で合わせなきゃ」と思う人も多いでしょう。しかしファッションの達人が多く見られる海外ファッションスナップなどでは、シャツやジャケットなどの「大人スタイル」のハズしとして、リュックを使う人が多いのです。
カッチリした服装に「ラフな雰囲気を与える」「ちょっと流行感をプラスする」という意味でアクセント的に使うのが実はポイント。
リュックをそのまんまアウトドアライクなカジュアルな服装に合わせたのでは、「田舎から出てきたの?」「これから山登りするの?」的な見え方にもなっちゃいがち。
ラフなニューヨーカーをイメージして、ややカッチリとしたスタイルにリュックを持つと、こなれた大人女子スタイルを作ることができるでしょう。
2015年トレンドの「リュック」。選ぶべきは無地でシンプルなもの。合わせるべきはニューヨーカーライクなカッチリスタイル。
と覚えて頂ければ上手に流行と取り入れたおしゃれスタイルを構築できるでしょう。オススメです。