先週1週間のインフルエンザの流行規模は2009年以降最大 今週更に患者数増加と予想

流行のようす

薬局サーベイランスによると、先週(1月5日~11日)の1週間のインフルエンザ推定患者数は、1,335,788(約134万人)となりました。これ は、今シーズンの最高値(第52週、約89万人)を大きく上回りました。さらに、2009年第28週に同サーベイランスが開始されて以降の、これまでの1 週間当たりの最多数(2013年第4週、約131万人)の値を上回っています。

また、連休明け1月13日(火)の推定患者数は、325、239(約33万人)と前週(第1週)の休日明けの月曜日の値(約27万人)を上回り、さらに1日の推定患者数としては、2009年に薬局サーベイランスが開始されて以降の最高値を更新しました。

以上より、今シーズンのインフルエンザの流行は、2015年第2週で既に2009年の薬局サーベイランス開始以降の1週間当たりの推定患者数の最多記録 を上回る大きな流行となっています。連休明け1月13日(火)のデータから、1月12日~1月18日は、更にインフルエンザの患者数が増加する可能性が高 いものと思われます。

エリア情報

各都道府県のインフルエンザの流行の指標である人口1万人当たりの1週間の推定受診者数は、第2週は全ての都道府県で前週(第1週)の値を大幅に上回っています。

人口1万人当たり1週間の推定患者数が多いエリアは、宮崎県、熊本県、大分県、静岡県、岡山県、徳島県、長崎県、佐賀県、広島県、三重県、滋賀県、福岡県、福井県の順となっています。

12月までは首都圏や東北、近畿の各地域の流行が目立ちましたが、1月に入って九州、四国、中国、中部の各地域の流行が大きくなっています。

年齢群別

学校等が冬季休暇となっていた期間中は、16歳以上の年齢層の割合が80%前後を占めていました。しかし、国内のほとんどの地域で新学期が始まって以降は、15歳以下の年齢層の患者割合が急増して1月13日時点では、40%近くに達しています。

ウイルスの型

国立感染症研究所感染症疫学センターの 病原微生物情報によると、これまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルスは大半がA/H3(A 香港)亜型である状態が続いています。

2015年第2週のインフルエンザの流行規模は、2009年に薬局サーベイランスが開始されて以降では最も大きなものとなっていますが、第3週は更に患者数が増加することが予想されます。

また、新学期が始まって15歳以下の年齢層の患者数の割合が急増していることや、これまでの季節性インフルエンザの流行例を考慮すると、第4週(1月19日~25日)も患者数の増加が続く可能性は低くありません。
今シーズンのインフルエンザの流行規模はかなり大きなものとなる可能性が高く、今後のインフルエンザの流行の推移には警戒が必要です。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2015/1/15

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