緊急時は数分が命取りになるから。今だけは「その」習慣やめてみませんか?
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(写真はイメージです)
医療現場で働く女性がTwitterに「コロナが収まるまで、皆様にお願い」と投稿した、ある切実な思いが反響を呼んでいます。
「マニキュア、ジェルネイルはなるべくやめて下さい」
皆様にお願いコロナが収まるまで、マニキュア、ジェルネイルはなるべくやめて下さい♀️爪に赤い光を当てて血中酸素を測定しますがマニキュアとかしてると測定できません特にジェルネイルは除光液で取れないので時間がかかります緊急時は数分が命取りになります続く#拡散希望— ココ♪ (@cococo05142)
写真にうつるのは「パルスオキシメーター」という名前の医療器具。
血液中の酸素濃度を測るもので、呼吸状態や血液の循環状態などを確認するために必要だといいます。
しかし、爪の色を見て測定するために、マニキュアやジェルネイルをしていると光が透過せず、測定ができないことも。
医療者がそうしたものを剥がす作業に追われてしまうだけではなく、緊急時には、命に関わる事態につながってしまうのです。
「新型コロナウイルスが流行する前からネイルの問題はよくあることでした」
Olena Domaskina / Getty Images
このツイートをした看護師のココ♪さんは、BuzzFeed Newsの取材にそう語ります。
ジェルネイルやマニキュアが医療の支障になったという実体験を元に投稿したというココさん。
新型コロナウイルスの感染拡大で、いつ病院を受けるかわからないいま、少しでも医療者の負担や感染リスク、なにより患者の危険を減らすために、呼びかけたといいます。
「最近はコロナの影響で医療現場も特に忙しく、人手も道具も足りない中、少しでも接触時間の減少と手間を省けたらと思い、声かけさせていただきました」
「夏場は特に両手両足されておられる方が多いです。爪の色が見えなかったり、酸素が測れなかったりで、必要な処置が遅れる場合があります。体調悪いかなと思ったら、オフにしていただけると嬉しいです」
産婦人科医の太田寛医師も、BuzzFeed Medicalの妊婦を対象とした寄稿でこう警鐘を鳴らしていました。
「呼吸状態・血液循環状態などを確認したいような危機的な状況の時に、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2、医療者はサチュレーションと呼びます)が測れないことは、とても危険です」
「昔はマニキュアしか無かったので、除光液で比較的簡単に落とすことができていました。救命救急センターには除光液が常備されていて、すぐにマニキュアを落としていたのです。ところが、ネイルはそんなに簡単には外せないために、一分一秒を無駄にできない状況では、大きな問題になります」
最悪、マニキュアは除光液で取ることができるものの、ジェルネイルを素人が取るのは至難の技。ヤスリでジェルを削って、除光液に浸したコットンを爪に置いて上からアルミホイルを巻いてしばらくを置いて……と時間がかかるのです。
できるだけ自分の体調の変化に気付いたら、ネイルはオフするようにしたいですね。