吉川晃司(58)と布袋寅泰(62)が組んだ伝説的ユニット「COMPLEX」。5月15・16日、東京ドームで能登半島地震の復興支援を目的に復活ライブが開催され、計約10万人を動員する大盛況となった。だが、不仲がささやかれてきた二人の間には相も変わらず、すきま風が吹いていたという。
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大ヒット曲「BE MY BABY」などで知られるCOMPLEXは、1989年のデビューからわずか2年弱で活動を休止し、ロック界の伝説となった。活動休止後に復活ライブを開催したのは、東日本大震災の復興支援を目的とした2011年の2日間と、今回の同じく2日間だけである。
「渡辺プロが手がけた最後の大物歌手と評される吉川と、『BOOWY』のギタリストだった布袋が組んだCOMPLEXは、結成直後に爆発的な人気を得ました。しかし、二人は音楽性の不一致などからすれ違うようになり、大喧嘩の末に解散したといわれています」(レコード会社関係者)
「布袋はさほど復興支援に関心がないように見える」
以降、二人には不仲がささやかれてきたが、
「吉川サイドからの呼びかけによって前回、そして今回、限定的な復活ライブが実現しました。吉川は東日本大震災の発生1週間後に被災地入りし、約3週間ボランティア活動に従事するなど復興支援への強い思いを持っています。18年の西日本豪雨の際にも人知れず被災地入りし、SNS上で“吉川晃司がいる”との目撃談が相次ぎ、話題になりました」(同)
今回COMPLEXは、グッズ販売を含む公演の利益全額をしかるべき先に寄付することを宣言。前回も同様で、約6億5000万円に及ぶ寄付の詳細を報告している。
しかし――。
「布袋はさほど復興支援に関心がないように見えます。よって、二人の間には復興支援への思いの差によって生じたすきま風が吹いている、と指摘する声があるのです」(同)
新曲制作をめぐり、関係がよりぎこちないものに
たしかに、布袋のインスタグラムをのぞくと復活ライブの直前まで、復興支援に関する記述があるにはあるが、投稿全体の分量に対する割合としては決して多くない。
開催が近づいてからの主なものは、復活ライブ前日、5月14日の〈明日の本番を待つのみ。同志の皆さん、能登、金沢の皆さんに向けて心を一つにし、大きなエールを送りましょう!〉という文言で、他には5月2日にわずかな言及があるくらいだ。
復活ライブのさる関係者はこう語る。
「布袋さんはライブの1日目、MCで吉川さんに新曲を作ることを提案しました。しかし、吉川さんからすれば、今回はあくまで復興支援が目的で“新曲は関係ない”という気持ちになったようです。にもかかわらず、布袋さんが2日目も再び新曲について言及し、結果として、両者の関係がよりぎこちないものになってしまったそうです」
“謝罪文”を投稿
ライブが終わって1週間ほどがたった後、布袋はインスタグラムに〈「吉川さん、そろそろ新曲を作りませんか」と僕が言ったのはリップサービスではない。しかしいきなりそんな言葉を振られて彼が困惑するのも無理はないし、申し訳なかったとも思う〉と“謝罪文”を投稿した。さらに真意は測りかねるが〈復興支援ライブはもうない方がいい〉とも書いている。
レコード会社のCOMPLEX担当者に、二人の間に復興支援への思いの差やすきま風があったのかを聞くと〈そのような事実はございません〉とのこと。
ライブでは「日本一心」を掲げた二人だが、その心模様は複雑なようだ。
「週刊新潮」2024年6月6日号 掲載