外国人向けの社宅を宮城でも 東京の賃貸業者、旧雇用促進住宅などを改装し運営

賃貸住宅サービスを手がけるビレッジハウス・マネジメント(東京)は、宮城県内で外国人も入居しやすい賃貸住宅の運営に力を入れている。人手不足を背景に外国人労働者が増える中、集合住宅を改装し、保証人や保証会社なしでも契約できる住まいを提供。企業に借り上げ社宅としての活用をアピールしながら、入居率向上を図っている。(経済部・横山浩之)

 同社は2016年設立で、親会社の投資会社が取得した旧雇用促進住宅などを活用し、賃貸事業に参入。宮城県内では仙台市など14市町で計73棟(計2454戸)を運営する。

 

集合住宅を改装

大河原町では旧雇用促進住宅を改装した「ビレッジハウス大河原」を運営。うち8戸は22年7月から同町のアルミ鋳造メーカー光洋精機が、インドネシア人従業員向けの社宅として活用している。

 間取りはいずれも2Kで、リフォームしたユニットバスやエアコンを備え、1部屋に2人ずつ暮らす。昨年秋に入居したアブドゥル・アジスさん(28)は「台所があり、部屋のサイズも良い。ここに住んでいるとうれしくなる」と話した。

 ビレッジハウスは東北6県を含む全国で賃貸事業を展開する。間取りは2Kが中心で平均賃料は月額約3万6000円。物件の平均築年数は48・5年と古いが、1部屋当たり約120万円をかけて修繕している。

 宮城県内の物件の入居率は徐々に上昇し、今年6月末時点で59%となった。外国人が暮らす居室の割合は約3%(計74戸)にとどまるものの、製造業や水産業、高齢者介護などの分野で外国人労働者が増加すると見込み、企業などに活用を呼びかける。

 宮城労働局によると、県内の2023年(10月末時点)の外国人労働者は前年比12・2%増の1万6586人となり、過去最多を更新した。一方で生活習慣の違いなどを背景に、外国人が入居できる賃貸住宅が限られるという事情もある。

3カ国語で相談

 ビレッジハウスは英語など3カ国語で入居者の相談に対応するコールセンターを開設しているほか、ごみ出しルールの案内板を多言語で作成するなどして、サポート体制を整えている。

 岩元龍彦社長は「人手不足が進めば外国人労働者に頼らざるを得ない。全国で培ったビジネスモデルを東北でも展開し、企業のニーズに対応したい」と語る。

タイトルとURLをコピーしました