大型の台風10号が2016年8月29日、東日本に近づいてきた。東北地方に上陸する恐れがあり、大雨や強風、沿岸部には高波による被害が懸念される。
台風はさらに、私たちの体調にも悪影響をもたらす。「気象病」と呼ばれる症状だ。
自律神経の乱れで頭痛から心筋梗塞まで
台風のような低気圧が接近すると、頭痛や関節痛といった持病がひどくなったり、うつ病、神経痛、さらには心筋梗塞や脳梗塞の症状を悪化させたりする。これが、気象病だ。
原 因として挙げられるのが、気圧の急激な変化による自律神経の乱れ。体が活動しているときに活発になる交感神経と、リラックスしているときに優位になる副交 感神経のバランスが崩れてしまうと、気象病を引き起こす。めまいや耳鳴り、難聴に悩まされるメニエール病も、自律神経の乱れによるものだ。武田薬品工業の 「タケダ健康サイト」によると、解決策のひとつとして「精神的なストレスに強くなる」。同時に、適度な運動をしたり、睡眠を十分にとるなど生活習慣を見直 したりしてみる。もちろん、体調不良が続けば医師の診察を受ける必要がある。
8月29日のツイッターを見ると、「台風が近づく気配を頭痛で感じる」「気圧下がると体調不良になりやすい気がする」「頭痛が止まらない 台風のせいか?」といった投稿が数多く並んでいる。日本全国の広い範囲で、気象病に悩まされている人が多いのだ。
雨でぬれた足に水虫が大発生
も うひとつ、台風で症状が悪化する意外な疾患を指摘しているのが、東京・武蔵野市の「わかばひふ科クリニック」のウェブサイトだ。今回の台風ではなく、 2015年9月9日付のブログで挙げられていたのが「水虫」。雨でぬれたり湿ったりするため、原因菌が増えるうえ、皮膚がふやけて「バリア機能」が弱くな るためだという。
対処法として、ぬれた足と靴をすぐに乾かすと、水虫の感染率が下がるという。