宮城「住み続けたい街2024」ランキングから街の魅力を探る!「美田園駅」「杜せきのした駅」が1位・2位に急上昇!自治体は富谷市が安定の1位

住み続けたい駅 注目は買い物充実、将来性ある仙台都心・長町エリア・六丁の目

東北の玄関口、JR仙台駅前(写真/PIXTA)

■多機能が充実する仙台市都心の地下鉄沿線駅 前回の調査と変わらずTOP10にランクインしているのが、仙台駅から仙台市地下鉄南北線で12分以内と近距離にある「青葉通一番町駅」「勾当台公園駅」「五橋駅」「北四番丁駅」。いずれも仙台駅に近く、ビジネス機能、ショッピング施設、公園などが周辺にバランスよくそろい、住民の満足度が高い。 3位の「青葉通一番町駅」は、老舗百貨店の藤崎百貨店、アーケード街のサンモール一番町に直結し、個性的な飲食店が連なるレトロな横丁が身近だ。街の魅力項目別ランキングの「コストパフォーマンスがよい飲食店や個人商店がある駅」「雰囲気やセンスのいい、飲食店や個人商店がある駅」ともに1位、「街の住民がその街のことを好きそうな駅」で4位。街の魅力調査では、「人からうらやましがられる」が1位で「外国人、他地域の出身者など多様な人がなじみやすい」「住宅街が整然として美しい」「散歩・ジョギングがしやすい」が上位に入った。 8位から7位にワンランクアップの「五橋駅」は、仙台駅から地下鉄1駅で仙台駅前周辺のショッピング施設が徒歩圏で日常使いできる。2023年4月に東北学院大学五橋キャンパスが開校、人通りが増えて活気づいている。親しみやすい個人商店や飲食店が軒を連ねる荒町商店街が身近で、街の魅力項目の「コストパフォーマンスがよい飲食店や個人商店がある駅」3位、「雰囲気やセンスのいい、飲食店や個人商店がある駅」3位、さらに「今後、街が発展しそうな駅」5位にもランクイン。

あすと長町のゆったりした美しい街並み(写真/PIXTA)

■仙台南の副都心、長町エリアは新旧の買い物環境が魅力 前回の9位から4位にランクアップした「太子堂駅」は、JR東北本線、JR常磐線、仙台空港アクセス線の3路線が利用できて交通利便性が高い。「あすと長町」の再開発事業で2007年に開業して以来、利用者が増加(2020年に一度減少)。駅前にヨークベニマル太子堂店をはじめ、スーパー、ドラッグストアなどが集まり、2022年11月にはヤマダデンキ Tecc LIFE SELECTが開店するなど、買い物の選択肢が多い環境だ。

また、南北に長い、長町エリアの最北部にある地下鉄「長町一丁目駅」が45位から15位に急上昇。2014年に新築・移転した仙台市立病院をはじめ各種医療施設、長町商店街、金融機関、広瀬川などが徒歩圏内。長町一丁目駅~長町駅までを対象に、長町商店街や町内会などを中心となって「歩いて楽しい、賑わいと交流が生まれる人中心の街並み」を目指し、長町の街並みの将来イメージを作成し仙台市と連携、街の将来を良くするために住民が積極的に関わっている。 JR東北本線の太子堂駅の隣にある「長町駅」は仙台駅からJRで1駅・約5分で、仙台空港アクセス線も利用できる。「住み続けたい駅」では11位だが、「今後、街が発展しそうな駅ランキング」3位、「街の住民がその街のことを好きそうな駅ランキング」で7位。駅のすぐ近くに「tekuteながまち本館、tekuteながまち2」があり、新鮮な食料品をはじめ飲食店、郵便局、医療施設など幅広いテナントが入店。旧国道4号線をはさんで向かいには、太白図書館、太白区文化センターなどが集まる複合文化施設「たいはっくる」がある。下町情緒あふれる長町商店街にはおしゃれなカフェなども点在する。

仙台市地下鉄東西線の六丁の目駅(写真/PIXTA)

■地下鉄東西線は六丁の目駅がTOP20圏外からランクアップ 前回21位から12位に上昇した六丁の目駅は、駅のある幹線道路沿いから一歩入ると落ち着いた住宅街で、徒歩10分以内に保育所、長年親しまれている飲食店、天然温泉やプールがあるスポーツクラブが入るサンピア仙台などがある。駅別の街の魅力調査では、「魅力的な介護・高齢者向け施設やサービスなどが充実している駅」で1位となった。

住み続けたい自治体1位は前回に続いて富谷市。子育て環境と計画的な街づくりが魅力

SUUMO住み続けたい街(自治体)ランキング2024 宮城県版(SUUMO住民実感調査)

1位は前回の「住み続けたい自治体」と同じく富谷市。富谷市は、2016年10月に合併なしで市政が施行され、その後も人口が緩やかに増え続けている。

「住みたくなる街日本一」を掲げ、住環境の整備、子育て環境の充実をきめ細かく行い、民間企業と協同で街づくりを進める。交流と遊びの場である大亀山森林公園、富谷宿観光交流ステーションとみやど、富谷市パークゴルフ場など、開業やリニューアルが相次ぎ、2025年度中には図書館、児童屋内遊戯施設などが融合した複合施設が完成予定。生活施設はイオンモール富谷やコストコなどの大型商業施設があり、地下鉄も鉄道も運行していないが、車があれば便利そのものだ。 街の魅力別項目では「子育て環境が充実している自治体」「教育環境が充実している自治体」いずれも2位にランクイン。ユニセフの会議に参加したことをきっかけに2018年に「富谷市子どもにやさしいまちづくり宣言」を行った。18歳までの医療費の助成、全小学校の敷地内に就労等で保護者が家庭にいない児童の居場所「放課後児童クラブ」を設置、妊娠期から子育てまで切れ目のない支援と相談を行う「とみや子育て支援センター(とみここ)」の設置、富谷市学校給食センターが提供する市立小中学校及び利府支援学校富谷校の児童・生徒の学校給食費の無償化、認可外保育園保育料の補助金(条件あり)など、子育て環境のさらなる充実に努めている。特に子育て世代が多く転入しているのも納得だ。

住み続けたい自治体でランクアップした多賀城市と岩沼市の街の魅力とは

JR東北本線の国府多賀城駅(写真/PIXTA)

「住み続けたい自治体」2位~4位の太白区、若林区、青葉区は、前回より順位がアップ。太白区は、仙台市の南の副都心、長町エリアを擁し、バス、JR、仙台市地下鉄南北線と東西線が区内を通り、生活利便性が高く自然も豊かだ。若林区は、地下鉄東西線が開通して、卸町駅前のイオンスタイル仙台卸町や六丁の目駅などが、活気を呈している。青葉区は、上杉地区の東北大学農学部跡地再開発計画、都心部のせんだい都心再構築プロジェクトなどが進行している。仙台市以外では、多賀城市と岩沼市のランクアップに注目したい。 ■駅前の市立図書館が大人気。歴史と史跡のまち・多賀城市 9位から6位に上昇した多賀城市は、市内中心部の駅と仙台駅とのアクセスはJR仙石線で多賀城駅まで約22分、JR東北本線快速では国府多賀城駅まで約14分、車で約30分のベッドタウンとして発展。今年創建1300年の多賀城跡と多賀城廃寺跡は県唯一の国の特別史跡で、多賀城碑が今年国宝に指定されるなど歴史と史跡の街だ。JR東北本線の国府多賀城駅周辺は、駅前に東北歴史博物館や多賀城跡があり、多賀城南門復元事業をはじめ、周辺整備が進められている。

多賀城市立図書館(写真/PIXTA)

また、東北随一の文化拠点を目指し、JR仙石線「多賀城駅」駅前の多賀城市立図書館、子育てサポートセンター(すくっぴーひろば)、徒歩7分に多賀城市文化センター(大小のホール、展示室、創作室など)と公共施設が充実。街の魅力項目(自治体別)の「魅力的な図書館施設がある」「魅力的な文化施設がある」で1位。 多賀城市立図書館は、東北髄一の文化交流拠点の整備の核として、2016年に移転リニューアルオープン。近代的な地上3階建ての建物で、カフェ、キッズライブラリー、学習スペース、ギャラリーなどがあり、21時30分まで開館、多世代が楽しめる図書館として人気だ。

仙台国際空港(写真/PIXTA)

■子育て世代も楽しめる仙台市のベッドタウン、岩沼市 TOP10の自治体の顔ぶれは、前回の調査とほぼ同じだが、TOP10圏外から10位にアップしたのが岩沼市。仙台駅へJR東北本線で約20分、車で約40分と仙台への通勤・通学がしやすい。市内に仙台空港があり、出張や旅行もスムーズ。買い物施設が充実し生活しやすさに加えて、竹駒神社、金蛇水神社、天然温泉、千年希望の丘などの観光スポットを有し、ラーメン激戦区とも言われ、メディアにもよく取り上げられる。 20万冊収蔵の図書館、文化財などの展示室、セミナールームを備えた岩沼市民図書館があり「魅力的な図書館がある自治体」4位。コンパクトなまちながら子育て支援センターが小学校区ごとに4カ所設けられ、第2子以降の保育料を無償化するなど、子育て世代の応援にも力を入れている。

利府町が今後の発展、子育て環境、教育環境充実で1位

今後、街が発展しそうな自治体ランキング2024宮城県版 TOP10(リクルート調べ)

「住み続けたい街」7位の宮城県利府町の魅力を、街の魅力項目別ランキングを通して見ていこう。

SUUMO住み続けたい街(駅)ランキング2024宮城県版 TOP20(リクルート調べ)

利府町は「今後、街が発展しそうな自治体」「子育て環境が充実している自治体」「教育環境が充実している自治体」で1位、「魅力的な図書館がある自治体」で2位、さらに利府駅は「子育て環境が充実している駅」で1位にランクインしている。

SUUMO住み続けたい街(駅)ランキング2024宮城県版 TOP20(リクルート調べ)

子育て環境では、子育て支援をしてほしい人としたい人をつなぎ、地域で子育てを支え合う「ファミリー・サポート・センター」事業を推進。2022年にはベビーファースト活動宣言を行い、「子どもたちの笑顔があふれる環境づくり」に取り組んでいる。18歳までの医療費全額(保険診療分)を所得制限なしで助成、小・中学校の新1年生全員に学校用の運動着を無料で支給するなど、子育て助成・手当が充実しているのも、高い支持につながったのではないだろうか。

東京五輪のサッカー公式会場になった宮城スタジアム(キューアンドエースタジアムみやぎ)(写真/PIXTA)

利府町には、北館と南館に分かれ東北最大級のイオンモール新利府をはじめ商業施設がそろい、2021年に誕生した図書館や公民館、文化会館などが入る利府町文化交流センター(リフノス)、ライブなど大型イベントが行われるセキスイハイムスーパーアリーナ(宮城県総合運動公園総合体育館)や宮城スタジアム(キューアンドエースタジアムみやぎ)を有する宮城県総合運動公園(グランディ・21)は県内トップクラスの集客力がある公共施設。

宮城県県民の森(写真/PIXTA)

モリリン加瀬沼公園、宮城県県民の森といった緑豊かな公園があり、松島湾に面し、海と山のどちらのレジャーも気軽に楽しめる。 宮城県県民の森(写真/PIXTA) 集客力を活かして街なかの回遊性を向上させ、定住、交流、産業都市としての発展を目指し2030年度を目標に10年計画の利府町都市マスタープランを策定、新たな都市開発に挑戦している段階で、今後の発展への期待値は高い。 宮城県版の「住み続けたい街(駅・自治体)ランキング 2024」を、2022年に実施した第一回と比較してランクアップした駅・自治体を中心に、街の魅力項目を併せて紹介した。「住みたい街」は仙台市内の5つの行政区や都心部が上位に入りがちだが、住み続けたい街は、富谷市、名取市、宮城郡利府町、多賀城市などが上位にランクインしているのも目につく。 最新のランキングや情報をキャッチしながら、まず自分がどんな暮らしをしたいのか、街に何を求め、何を優先するか、立ち位置を決めて街選びの参考にするのがいいだろう。 ●プレスリリース 「SUUMO住民実感調査2024 宮城県版」住み続けたい街(自治体/駅)ランキング

佐藤 由紀子

タイトルとURLをコピーしました