1位と2位の順位は不動電通・博報堂は1000万円台
今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い広告会社ランキング2023最新版」を作成した。本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ。対象期間は2022年5月期~23年4月期。
早速、ランキングを確認していこう。
1位は、広告代理店最大手の電通グループ。知名度もナンバーワンだろう。平均年収は1520.4万円(平均年齢44歳、従業員数129人)だった。
東京・汐留のランドマークでもある電通本社ビルは、地上48階・地下5階の超高層ビル。3000億円規模ともいわれる電通本社ビルの売却は大きな話題となったが、最終的に約892億円の売却益を得て、同社はコロナ禍による赤字から脱却した。なお、ビルは売却したが、本社オフィスは今も変わらず汐留にある。
2位は、博報堂DYホールディングスで、平均年収は1275.5万円(平均年齢43.9歳、従業員数266人)だった。「電博」と並び称される電通のライバル企業だ。電通よりも約250万円程度少ないとはいえ、平均年収が1000万円台なのはこの2社のみである。
なお、扱い高では業界3位のアサツー ディ・ケイは2018年に上場廃止しているため、このランキングでは対象外としている。
3位はサイバーエージェント上位はデジタル広告関連企業が並ぶ
3位はサイバーエージェントで、平均年収は817万円。平均年齢34.2歳、従業員数1977人と、電通・博報堂に比べると平均年収は大分低いが、平均年齢は10歳近く若く、従業員数が非常に多い。一般に、社員の平均年齢が低いほど平均年収は下がる傾向のため、同社は「若手でも給料がいい会社」と言えるだろう。
同社はインターネット広告事業だけでなく、ゲーム事業や、インターネットテレビ局「ABEMA」なども手掛けている(メディア事業)。ABEMAは長年赤字事業だったが、2024年第2四半期にはABEMA開始後初めてメディア事業が四半期黒字化した。
インターネット広告事業、ゲーム事業も好調で、収益を押し上げている。絶好調といえるサイバーエージェントだが、藤田晋社長は2026年に社長引退を宣言している。今後の展開に注目したい。
4位は、デジタル広告を活用したマーケティングや、電子マネー・QRコード決済のプラットフォームなどを手掛けるデジタルガレージで、平均年収は762.8万円(平均年齢38歳、従業員数471人)。
5位はインターネット広告代理店・オプトを傘下に持つデジタルホールディングスで、平均年収は726.8万円(平均年齢38.6歳、従業員数107人)だった。
平均年収の6~10位を見ると、順にCARTA HOLDINGS(700万円)、マイクロアド(696.4万円)、アイリッジ(686.1万円)、フロンティアインターナショナル(680.1万円)、ジーニー(669.9万円)と続く。
平均年収が1200万円以上の企業は2社。800万円台の企業はサイバーエージェント1社のみ。700万円以上の企業は6社、600万円以上の企業は25社あった。
66社中57社が東京都に本社を置いており、広告業界の東京一極集中が顕著に表れている。また、上位にはデジタル広告関連の企業が目立つ。
次ページ以降、6位以下の全66社を掲載している。ぜひ、チェックしてほしい。
(ダイヤモンド編集部 吉岡綾乃)