白髪の原因は老化や遺伝、ストレスなど色々とありますが、「何らかの理由でメラニン色素が十分に作られなくなる」という点は共通しています。髪の色はメラニン色素の量によって決まっているため、色素が足りなくなれば白髪になってしまうのです。
毛髪の色はメラニン色素によってもたらされていますが、このメラニン色素を作り出す細胞・メラノサイトがメラニン色素を作るためには、さまざまな栄養素が必要です。また、メラノサイトがメラニンを作り出す際には、チロシナーゼという酵素が必須ですが、このチロシナーゼを活性化するのにも、欠かすことのできない栄養素があることを理解しておきましょう。
以下に、メラノサイトやチロシナーゼの働きをサポートする成分と、その成分が多く含まれる食べ物をご紹介します。
ヨード(ヨウ素):メラノサイトの活動につながる栄養素
コンブやヒジキといった海藻類が白髪対策によいと言われることがあります。これらの海藻類には、ヨード(ヨウ素)が多く含まれているためです。ヨードには、メラノサイトの活動を促すホルモンに必要な栄養素です。もちろん、ヨード(ヨウ素)を摂取するだけで白髪が改善するわけではありませんが、対策として適度に摂取するようにしたい栄養素のひとつといえます。
ヨードを多く含む食品には、以下のようなものがあります。
- 海藻類
- コンブ、ヒジキ、ワカメ、海苔など
- 魚介類
- イワシ、サバ、カツオ、ブリなど
チロシン:メラニン色素の原料のひとつ
チロシンはメラニン色素の原料のひとつです。これが不足していると、どれほどメラノサイトが働こうとも毛髪に色が出ることはできません。また、抗ストレス作用もありますので、ストレス面による白髪の予防として取り入れたいところです。チロシンはもともとチーズから発見されたものであるため、乳製品に多く含まれています。
- 乳製品
- 脱脂粉乳、ナチュラルチーズ、プロセスチーズなどのチーズ類
- 果物
- バナナ、アボカド、リンゴ
- 魚介類
- かつお、まぐろ、たらこ、ちりめんじゃこ、ひらめ、うるめいわしなど
- 大豆・ナッツ類
- アーモンド、大豆、落花生、豆腐など
銅:チロシナーゼの合成に欠かせない
銅はチロシナーゼの働きを活発にさせるミネラルです。体内では作ることができない成分なので、食事を通じて外部から取り入れるよう心がけることが大切です。チロシンとあわせて摂るようにすることで相乗効果が期待できると考えられます。
- 豆類
- 大豆、納豆、カシューナッツなど
- 野菜類
- ごぼう、ニンニク、パセリ、モロヘイヤ、カンピョウなど
- 穀類
- そば、サツマイモ、玄米など
- 魚介類
- ホタルイカ、エビ、カニなど
- 果実類
- アンズ、プルーンなど
体を温める食品も効果的
体を温めてくれる食品は、一時的ではありますが血流を促しますので、こちらも食事による白髪対策としては取り入れたいといえます。しかし、食べ物だけで白髪の予防や改善を目指すことは難しいことです。生活習慣を全般的に見直していくようにしましょう。