経済産業省が「買い物の80%をキャッシュレス決済にすることを目指す」と提言し、注目が集まっている。
キャッシュレス比率を20→80%へ
経産省の検討会が人手不足などに対応するため、現金を使わない「キャッシュレス決済」を拡大すべきだという提言をまとめたと、NHKが報じている。
現在20%程度のキャッシュレス決済の比率を、2025年には倍の40%に拡大し、将来的には80%を目指すという内容だそう。
普及に向けて、セキュリティー対策の徹底やサービス規格の統一、現金払いより有利になる税制面の優遇措置、補助金などを検討すべきだとしているという。
利便性向上やマーケティング活用のメリット
キャッシュレス化は、消費者にとっては「大量の現金を持たずに済む」「カード紛失・盗難時の被害リスクが低い」「消費履歴の管理が簡単」など、利便性が高まるメリットがあるそう。
事業者にとっても「現金の搬出入回数の減少」や「レジ作業の減少」「売上金紛失・盗難等のトラブル減少」「通貨・紙幣に触れないので衛生的」「インバウンド需要の取り込み」「個人の購買情報を蓄積し、ビッグデーターを分析してマーケティングを高度化」など生産性向上につながる。
さらに「脱税の減少」や「マネーロンダリングの抑制」への効果も期待でき、経済全体に大きなメリットがあるとされている。
訪日外国人向け2020年までに100%が目標
政府は、2025年頃までに国内外で多くのイベントが予定されており、訪日客の増加が予想されることから、キャッシュレス環境の整備が不可欠として普及を推進。
2020年までに、外国人が訪れる主要な商業施設、宿泊施設および観光スポットで「100%のクレジットカード決済対応」および「100%の決済端末のIC対応」実現に向けて、決済端末の設置を働き掛けている。
デンマークは完全キャッシュレス社会へ
経産省の資料によると、海外諸国におけるキャッシュレス決済比率は日本より高く、韓国や中国など50%を超える国も。
デンマーク政府は2030年頃を目安に完全なキャッシュレス社会を目指して移行を進めており、同国の国立銀行は新たな紙幣や硬貨の需要が明らかに減っているとして、国内での通貨製造廃止を決定したという。
ネット上は「規格を統一して」
「キャッシュレス比率を80%へ」という提言について、ネット上に賛成する声が投稿されている。
一方、こんな意見も。
特に「乱立している電子マネー等を統一してほしい」という意見が複数見受けられた。