42歳でパーキンソン病に侵された精神科医のエッセイが、韓国で売れに売れている。『もし私が人生をやり直せたら』という本だ。「自分をもっと褒めてあげようと思った」「人生に疲れ、温かいアドバイスが欲しいときに読みたい」「限られた時間を、もっと大切にしたい」と共感・絶賛の声が相次ぎ、35万部以上売れているという。
そんなベストセラーエッセイの邦訳が、ついに刊行される。男女問わず、多くの人から共感・絶賛を集める本書の内容とは、いったいどのようなものなのか? 本書の日本語版から抜粋する形で、「人生の限りある時間」の過ごし方について書かれた項目を紹介していく。
Photo: Adobe Stock© ダイヤモンド・オンライン
老後「死ぬほどヒマな人」「毎日楽しい人」の違いとは?
人は皆、生まれながらに好奇心を持っているものです。
小さい子どもを見てください。誰かに言われなくとも気になることには、見たり、触れたり、味見したりしますよね。子どもはそうやって何事も遊びに昇華させて、もっと知ろうとします。これも好奇心のなせる業です。
ところが、次第に両親や学校に統制されることに慣れ、アメやニンジンがないと勉強に興味を感じられなくなります。そんなふうに無理やり勉強し、仕事もやらされてするような受け身でいれば、うんざりして無気力になるのは当然です。
本来持っていた好奇心や、知ろうとする本能まで忘れてしまうのです。
幸いなことに、私は比較的早いうちに学ぶ喜びに気づくことができました。学びながら自分の世界を広げ、そして勉強の範囲もどんどん広がりました。
本を読むことも、職場で働くことも、結婚生活も子育ても、人とできるだけ円満につき合うことも、しまいには服の着こなしや化粧に至るまで、もうすべてが学びでした。
おまけに、人や社会とぶつかりながら、自分や他人がどういう人間かを知り、学んだことで、自分のことをもっと愛せるようになりました。
42歳でパーキンソン病と診断され、60歳を過ぎた今、私はあることを学びました。
老後、毎日を楽しく生きている人の習慣
人生とはただ生きることであり、そして、生きていることそのものが勉強なのだと気づきました。
だから私は皆さんにも「自分の好奇心に正直な学び」がもたらす楽しさを感じてほしいと思っています。それがダンスでも音楽でもスポーツでも何だって構いません。「もう年を取りすぎた」と思う人もいるかもしれませんが、今からでも遅くありません。ローマの政治家カトーは、なんと80歳を過ぎてからギリシャ語の勉強を始めたといいます。
自発的に行う学びは好奇心の領域をどんどん広げてくれ、人生をイキイキと輝かせてくれます。
好奇心優先で通うカルチャーセンターや同好会などで見かけるお年寄りたちが皆、ティーンのようにキラキラした表情をしていることもこれで納得です。
少しでも早いうちに心の赴くまま、学びの世界を探検してみてください。