都「(新入生)転入自粛を」→都立大「引越し問題ない」 行政要請に対し大学が声明

 「予定どおり引越していただいて問題ありません」――。東京都の要請を受け、新入生の都内への転入自粛を検討していた首都大学東京(4月に「東京都立大学」に名称変更)は2020年3月25日、都の意向を全面的には支持しない方針を発表した。

   都の大学側への要請をめぐっては、上京を予定していた学生に不安が広がっていた。

小池百合子都知事

「東京都は何を考えてんだ」

   都の染症対策本部会議は23日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、首都大(本部:東京都八王子市)へ複数の自粛要請を行っていたことを明かした。同大は、時の石原慎太郎都知事の主導で、2005年に旧東京都立大学など4校を統合、新設された。

   要請は(1)ゴールデンウィーク終了まで休講(2)キャンパスへの立ち入り禁止(3)サークル活動の自粛要請(4)留学生・地方からの入学生の東京への転入自粛要請――の4項目で、都の総務局長は「4つの項目について、実施のための学内手続きに入ったところでございます。感染拡大の観点から、事業者の方々におきましても、都の取り組みを参考に対応を行っていただきたい」と説明していた。

   要請を受け、上京を予定していた複数の学生はJ-CASTニュースの取材に「引越しはキャンセルがききそうにないので、取りやめることができそうにない」「早めに発表してくれたらよかった」「どうすればいいか分かりません…」と混乱ぶりを伝えた。

   SNS上でも「東京都は何を考えてんだか」「自粛した学生が被る損失を都は補償するの?」と要請を疑問視する声が相次いだ。

都立大「無理のない範囲で検討を」

   大学側は25日、学生向けに声明を発表した。「(国内外から上京する学生は)必ずしもすぐに転居する必要はありません。可能な範囲で、転居日の延期等についてご検討ください」と、都の要請を汲む案内をしつつ、

「予定どおり引越していただいて問題ありません。引越の契約が既に完了している場合などにおいては、なかなか変更も難しいと思います。皆さまへのお願いは、あくまで『例えば、上京日を柔軟に決められる場合などにおいて、無理のない範囲でご検討いただければ』という趣旨ですので、ご安心ください」

と強要はしないという。

タイトルとURLをコピーしました