「ルフィ」と名乗る男を指示役とする広域強盗事件を受け、関連被害が確認されていない東北でも防犯グッズや警備サービスへの関心が高まっている。量販店で品薄状態が続き、警備会社への問い合わせも急増する。装備が間に合わない人もいることから、専門家は「まずは玄関の施錠や見知らぬ来訪者にドアを開けないことを徹底してほしい」と呼びかける。
量販店でグッズ品薄に
生活雑貨大手のハンズ仙台店(仙台市青葉区)では東京都狛江市の強盗殺人事件が起きた1月19日以降、防犯関連商品の売り上げが前年同期比で約4倍に伸びている。窓用の防犯アラームはこの3週間で昨年1年間の倍以上売れ、入荷待ちの状況が続く。
窓からの侵入を防ぐフィルムの問い合わせが多数あり、同店は急きょ商品を発注し、入荷に備える。
同店管理グループの山口進マネージャー(52)は「消費者の防犯意識が高まっている。できる限りお客さまのニーズに合わせた対応をしたいが、入荷まで時間のかかる商品もある」と話す。
宮城県内でホームセンター「ダイシン」を15店舗展開するダイシンカンパニー(宮城野区)は、センサーライトやカメラ付きインターホンなどの防犯グッズの売り上げが1月23日以降、全店舗で前年同期比20~30%増えた。
警備会社への相談増加
警備会社への相談も増えている。大手の綜合警備保障(ALSOK)には1月20日ごろから、ホームセキュリティー関連の問い合わせが全国から寄せられ、通常の3倍に急増した。広報担当者は「宮城県でも増えている。広域強盗事件の報道で防犯の見直しを考える人が増加している」と話した。
広域強盗事件の犯罪グループは宅配業者を装って侵入したり、窓ガラスを割って押し入ったりしていた。
一般社団法人日本防犯学校(神奈川県平塚市)の桜井礼子副学長は「宅配業者を名乗る人にはインターホンで送り主などを確認し、荷物を外に置いてもらう対応が安全。その上で防犯フィルムで窓ガラスを強化するなど、できる範囲から防犯対策を進めることが重要だ」と指摘する。