「コロナで飲み会が減った」「最近めっきり酒に弱くなったような気がする」
全国の左党の嘆き節を裏付けるように、2020年度の日本の成人1人あたりの酒類消費数量は75リットル、ピーク時の30年前に比べ約26%減少した(国税庁調べ、沖縄県を除く)。
原因のひとつが、若者のアルコール離れだ。厚生労働省が毎年どんな人に「飲酒習慣」があるのか尋ねている国民健康・栄養調査からも読み取ることができる。
飲酒習慣の定義は「週3日以上、1日1合以上飲酒する」で、1合はビールやチューハイではロング缶1本程度だ。
20代で飲酒習慣がある人は、2019年の調査では7・8%(男性12・7%、女性3・1%)、30代でも17・2%(男性24・4%、女性11・1%)だった。
1996年の調査に比べ、飲酒習慣のある男性の割合は、20代で約3分の1、30代で約2分の1と顕著に減った。
■飲んで自分のコントロールを失うことが怖い
なぜ若者はお酒を飲まないのだろう。SNSで理由をきいた。
まず、節約派。
「節約のため、ビールから発泡酒、ノンアル、炭酸水と移行した。今では飲みたいと思わない」(30代女性、非常勤講師)
「飲み会で人と話すのは楽しい。別に酒を飲まなくても楽しいなら、数千円払ってまで飲む必要性はない」(20代男性、学生)
健康志向も強い。
「飲むと夜、ジムに行けなくなる。健康にもマイナス」(20代男性、会社員)
「吐きながら強くなるもんだ、と先輩に言われたが、吐くぐらいなら飲みたくない」(30代男性、美容師)
お酒を飲んで自分のコントロールを失うことが怖い、という意見も目立った。
「飲み過ぎて気持ち悪くなったり、意識を失ったりして、周りに迷惑をかけたくない」(20代女性、看護師)
「酔っ払ったところをあまり多くの人に見せたくない。酔って友人がしてしまっているような失態をおかすのが怖い」(20代女性、学生)
「今の時代、酔ってパワハラやセクハラをしたら、一発退場だと思うから、あえて飲まない」(30代男性、会社員)
「飲めるけど飲まない」と答えた女性の母親(55)は「若い人たちが酔っ払いにいい印象がないというのは、親世代が失態をやらかしているからですよね」と反省しきりだった。