「お薬師さん」「泉マルシェ」「Book!」仙台でイベント開き続けて10年 3市民団体、街への思い語る

10年前から仙台市内で開かれている三つのイベント「お薬師さんの手づくり市」「泉マルシェ」「Book!Book!Sendai(ブック・ブック・センダイ)」の各関係者による座談会「この街の10年」が6月6日、青葉区のブックカフェ「火星の庭」であった。イベントの成り立ちや仙台の街へ寄せる思いに、市民約30人が耳を傾けた。

ブック・ブック・センダイの主催。お薬師さんの手づくり市実行委でライターの西大立目祥子さん、泉マルシェ創設時の実行委で商業施設セルバ(泉区)の吉田久美子さん、ブック・ブック・センダイ事務局で古書店主の前野久美子さんが語り合った。
お薬師さんの手づくり市は毎月8日、若林区の陸奥国分寺薬師堂境内で開催。経済情勢に左右されない地域づくりを目指して始まり、農作物や手作りの菓子、雑貨などのブースが並ぶ。
「月に1度会う関係は思った以上に大事。東日本大震災後、沿岸部からの出店者を心配する声を聞いてやる意味があると感じた」と西大立目さん。「食べ物を作る人と都市に住む人のつながりをさらに強めたい」と話した。
市地下鉄泉中央駅前で毎秋開かれている泉マルシェは、フランスの屋外市場をイメージしたおしゃれな雰囲気で人気がある。
吉田さんは「泉中央のブランドづくりを意識した。地域活性化策を検討していた地元商工会などと実行委員会をつくったことで、企画がスムーズに進んだ」と振り返った。その上で「消費者のお金の使い方が変わってきた。その場に行きたい、会いたい、体験したいと感じるイベントや店に人が集まる」と指摘した。
前野さんは「市民活動としての取り組みが、回り回って自分たちのためになるという感覚があった」と強調。地元書店の閉店などを受け、本に関する仕事をする市民らが、アーケード街で一箱古本市などの書籍イベントを手掛けてきた。
10年前と比べ街中でのイベントが増えていることに触れ「そこで行われる必然性やストーリー、背景が人に伝わり、説得力のあるイベントが残る」と語った。

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