山形県米沢市の小野川温泉で、かまくらの中で熱々のラーメンなどを楽しめる催し「かまくら村」がにぎわいを見せている。新型コロナウイルスの影響で開催は3年ぶりで、3月上旬まで続く。
かまくらは温泉街の駐車場に3基造られ、いずれも直径5メートル、高さ3メートル。近所の飲食店2店から出前が取れ、初日の15日は地元住民ら約50人がかまくらの中でラーメンを味わった。
かまくらの製作活動にも参加した米沢市の大学院生小林亮太さん(23)は「中は風もしのげて暖かい。自分たちが手がけた場所でおいしいラーメンを食べられて、うれしい」と話した。
催しは2004年から小野川温泉観光協議会が開催。集客アップのため、出前を取れるように工夫している。
日没まで利用でき、料金は飲食注文時に中学生以上500円(食事代は別)。天候により中止の場合がある。連絡先は小野川温泉旅館組合0238(32)2740。
「温泉むすめ」でPR
小野川温泉は近年、誘客につなげようとユニークな試みを相次いで打ち出している。全国の温泉を擬人化したキャラクター「温泉むすめ」のうち、小野川温泉をイメージした「小野川小町」も積極活用する。
今月1日に「鈴の宿 登府屋旅館」が導入したのは、御朱印ならぬ「御泉(おんせん)印」。温泉むすめが描かれたはがきサイズのデザインで、宿にある日付のスタンプを押す。記念品としてファンを中心に人気だ。
登府屋旅館を含む温泉街8施設は昨年6月から観光向けの地域デジタル通貨「ルーラコイン」も活用する。チャージしたり観光キャンペーンに参加したりするとポイントがたまり、利用者がお得に買い物できる。
いずれも東京の運営会社を含め、松島温泉(宮城県松島町)や飯坂温泉(福島市)など全国の宿と連携して展開している。
登府屋旅館の遠藤直人社長は「こまやかな企画も含め、誰かに刺さるPRを考えている。ノウハウをため、多くの方に足を運んでもらえるようにしたい」と言う。