東日本大震災発生から5年1カ月の11日、宮城県石巻市門脇町で被災者を励ましてきた「がんばろう!石巻」の看板が撤去され、近くに新たな看板が設置された。引き続き、震災の記憶を伝承し、犠牲者を追悼する場となる。
看板は、配管工事業の黒沢健一さん(45)が震災から約1カ月後、津波で流失した店舗兼自宅跡地に設置。老朽化したため、黒沢さんと友人約10人は11日、看板を取り外した。
新看板は同じデザインで、サイズも同じ縦約2メートル、横約11メートル。黒沢さんらは旧看板の場所から約100メートル南東の市有地に看板を取り付け、復興への思いを新たにした。
この看板は3月、市門脇中美術部の生徒たちが黒沢さんの指導を受けながら製作した。看板が傷んだ際には生徒たちが補修し、5年ごとに作り替えていくという。
黒沢さんは「新しい看板が、被災者を励ますという当初の思いを踏襲しつつ、次の世代の子どもに震災を伝える存在になればいい」と語った。