「きらめく願い 天との絆」 仙台七夕まつり開幕

 竹飾りに願いを託す仙台七夕まつりが6日、仙台市中心部などで始まった。市内や宮城県沿岸部の子どもたちが短冊や折り鶴に込めたのは、古里の再生と、被災した仲間たちを激励する思い、そして将来を夢見る純粋な気持ちだ。東日本大震災から間もなく1年5カ月。それぞれの希望が、アーケード街やケヤキ並木の下で輝いている。
◎アーケード街
 仙台市青葉区の藤崎前に飾られた39本の竹飾りは、市内の中小学校192校が実行委員会をつくって準備してきた。色とりどりの折り鶴約5万羽は児童生徒の手作りだ。
 金色の短冊には「つなげよう 笑顔の輪」「深めよう地域の絆」「見せよう! 宮城の底力!」などと学校ごとにメッセージを書き込んだ。
 初日の式典では立町小合唱団の20人が「たなばたさま」などを披露した。実行委員長の仙台二中3年江佳伊さん(15)はマイクを手に「復興への思いと支援してくれた人の感謝を全国に発信したい」と強調した。
 実行委員の一人、長町小6年斎かのんさん(11)は「復興への願いを記した短冊を見て、被災した人が元気になってほしい」と期待した。
◎並木道
 青葉区の定禅寺通に、2000枚の短冊が風にそよいだ。宮城県南三陸町の小学校5校の児童が「愛と希望」をテーマに書いた。子どもたちは「魚がいっぱいとれる海になれますように」「もっと元気な町に」と復興への願いを込めた。「じしんもつなみもきてほしくない」と切実な思いも託した。
 「野球でホームランを打ちたい」など身近な夢も。伊里前小1年高橋空さん(6)は「ケーキ屋さんになりたい」と夢をつづった。
 主催した日本グラフィックサービス工業会宮城県支部の大橋邦弘理事は「子どもたちは前向きに生きることの大切さを本能的に知っている。希望や夢を表現する機会を今後も用意したい」と話した。

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