「さんまのまんま」終了で浮彫り 若手芸人の明日なき実態

明石家さんま(61)のバラエティー番組「さんまのまんま」のレギュラー最終回が25日、フジテレビ放送エリアでオンエアされ、31年半の歴史に幕を閉じた。

終了の理由について、さんまは8月にラジオ番組で「もう制作費が出ないんですね。今の放送局は不景気だから、申し訳ないでしょ。オレ、ギャラが高いねんな。頑張って下げたりもしたんですけど、もう下げ切れずという感じ」と明かし、

「オレはギャラなしでしゃべってもええねんけど、後輩たちが『さんまさん、ギャラ取ってないのに何や』ということになる。その辺がいつも後輩に怒られるところで。『(ギャラを)下げないでくれ』『そうじゃないと我々が給料上げてくれと言えない』と。みんなも生活があるから。この辺はものすごい悩みどころ」と吐露していた。

■制作費削減で大物は敬遠、若手は使い倒し

さんまのギャラ相場はレギュラー番組1本あたり約300万円といわれており、若手芸人と比べれば雲泥の差。ゴールデンならともかく、制作費の限られる深夜やBS、CS、ネット番組のほとんどはギャラが格安の若手芸人で埋められている。

「無名な若手にとって、テレビで顔が売れれば営業での単価が上がり、ゆくゆくはテレビのレギュラー出演にもつながるので、ノーギャラでも出る価値がある。でも、テレビ局やネット番組がそれにつけ込んでいるのに加え、『芸人なら面白くしてくれる』という甘えやサボりもあって、どの番組も芸人だらけ。視聴者はもう飽きていますが、これからテレビ局の制作費はもっとシビアになる。一度上げたギャラは下げられないので、大物はレギュラー番組が減り、若手は薄給で使い捨て。このやり方は今後も続くでしょう」(芸能リポーターの川内天子氏)

一説には5000人とも1万人ともいわれるお笑い芸人。しかし、かつては“夢工場”だったテレビの世界はギャラの高い大物ほど敬遠され、若手は使い倒されてポイ。誰もが明日の売れっ子を目指しているはずだが、現実は相当に厳しい。

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