仙台商高(仙台市泉区)の3年生が、仙台名産「ずんだ」の香りを取り入れた消毒スプレーの開発を進めている。商品化に向けた作業は大詰めを迎えており、12月にも市内の飲食店や土産店などで販売開始する。
「商品開発」の科目を選択する33人が取り組む。枝豆から抽出した精油をアルコールに混ぜたスプレー。枝豆の甘い香りがほのかに広がる。5ミリリットル入りと小型で持ち運びやすく、外出先の手指消毒などに使える。1本330円で販売する。
生徒は授業で新型コロナウイルス対策をテーマに、宮城独自の商品を開発しようとアイデアを出し合い、ハーブや果物の香りがする消毒スプレー「アロマアルコール」に目が留まった。
ITコンサルタント「エル・エー・ジャパン」(青葉区)の本間洋平社長(44)を講師に招き、商品デザインや消費者の視点などを学習。スプレー製造はエル社と取引のあるアロマアルコールメーカー「MONDOCOLO」(モンドコロ、長野県)に委託することを決めた。
香りの候補には県花のミヤギノハギ、利府町特産の梨、亘理町特産のイチゴも挙がったが、全国的に知られ、話題性にも富むずんだに決まった。香りに濃淡を付けた4種類の試作品を用意。ずんだ餅を食べながら本物に近い香りを選んだ。
10月22日はパッケージデザインを話し合った。仙台七夕やJR仙台駅西口ステンドグラスなど5案から、仙台城跡(青葉区)の伊達政宗騎馬像を選んだ。
販売場所も検討し「高速道路のサービスエリアは県外客が多い」「仙台駅のずんだスイーツ店に置けば好きな人が買ってくれる」などと意見を交わした。
生徒は10月中に商品開発を完了、その後は販売実習を予定する。早坂奏之介さん(18)は「座学の知識を生かせる経験ができて楽しい。自分たちで考案した商品を多くの人に手に取ってほしい」と話した。