宮城県の郷土料理「ずんだ餅」と地場野菜「チヂミユキナ」が、食品成分の基礎データとして活用される日本食品標準成分表(食品成分表)に掲載された。地域食品の収録は珍しく、宮城ゆかりの食品は初めて。関係者は「県内外の給食や食堂でもっと使いやすくなるはず。一層普及させたい」と喜ぶ。
文部科学省は昨年12月、食品成分表に本年度分として59食品を追加した。このうち地域食品は「ずんだ」「ずんだもち」「ちぢみゆきな(生)」「同(ゆで)」で全て宮城。今後文科省は地域食品を増やす方針で、宮城はその先駆けとなった。
「和生菓子・和半生菓子類」に分類されたずんだ餅は「宮城県内で古くから郷土料理として食され、近年はスイーツとして洋菓子や料理にも用いられる」との説明が付いた。
チヂミユキナは「野菜類」に分類され「生」と「ゆで」の2通りで成分値が記された。「宮城県を中心に栽培されている。元々は中国野菜のターサイの変種」などと説明されている。
県と仙台市が流通や普及の状況を調べ、成分分析を行った上で文科省に掲載を働き掛けた。標準レシピも作り、ずんだ餅はずんだと餅の割合を4対6とした。
市農食ビジネス推進室は「食品成分表は栄養士にとってバイブル的存在。目に留まる機会が増えれば、もっと多くの人に食べてもらえる。農業振興にもつながる」と期待する。
[日本食品標準成分表]食品100グラム当たりに含まれるエネルギー、水分、タンパク質、脂質などの成分値をまとめた基礎データ集。学校給食や病院などの食事管理・栄養指導のほか、外食産業、各施策の基礎資料に使われる。文部科学省が5年ごとに改訂する。現行の2015年度版は今回の追加分を含め、2294食品について54項目の成分を記載している。