授業で興味、放課後練習「成果出せた」
仙台大明成高(仙台市青葉区)の食文化創志科の3年生5人が、全麺協(東京)のそば打ちを職業としない人を対象とした「そば道段位認定」の2段に合格した。宮城手打ちそば研究会(仙台市)によると、1995年にできた認定制度で、これまで2段に合格した県内のそば打ち愛好家は約70人のみ。高校生の合格は珍しいという。
昨年初段を取得した5人は今月1日に仙台市内であった認定大会に参加。(1)長さ(2)切りそろえ(3)打つ姿勢-など5項目の評価基準をクリアした。段位は8段まである。
2段の認定試験は半年に1度しか受けられない。熊谷優愛(ゆあ)さん(17)は「本番は緊張したが、練習した成果を出すことができた」と振り返る。
伝統的な食文化を学ぼうと、食文化創志科では2019年度にそば打ちを授業に取り入れている。
授業を通じてそば打ちに興味を持った5人は放課後を利用し自主練習を重ねた。材料費を自己負担して頑張る生徒たちを支援しようと、教職員たちは打ったそばを買い取った。
熊谷さんは「先生たちからおいしいと褒められ、励みになった」と感謝する。
2段の合格者が5日、同科の1年生85人に腕前を披露し、打ち立てのそばを振る舞った。佐藤絢菜さん(15)は「先輩たちの手際の良さに驚いた。難しそうだけど、自分も挑戦したくなった」と話した。
熊谷さんら4人は、8月2日に東京都で開かれる「全国高校生そば打ち選手権大会」(通称・そば打ち甲子園)に出場する。
そば打ちを指導する同校職員の月本麻美子さん(40)は昨年10月に2段の認定を受けた。「そば打ちを通じて地域や後輩とつながりを持ってほしい」と期待する。