「どの口が言ってんだ?」ジャニーズ糾弾するメディアに特大ブーメラン、問われる“蜜月”の罪

 2023年10月2日、『ジャニーズ事務所』という名称が消滅することが決まった。

「故・ジャニー喜多川氏の性加害問題を受けて、ジャニーズ事務所の東山紀之社長、井ノ原快彦副社長、加えて担当弁護士らが9月7日に続き再度会見を開き、被害者の救済・補償、ジャニーズ事務所の社名変更を含む“ジャニー喜多川”氏に関する名称を今後一切使わないこと、新会社を立ち上げマネジメント業務を行うなどを発表しました」(スポーツ紙記者)

 2日の会見は荒れた。確かにジャニー喜多川氏の性加害問題、そしてそれを“見て見ぬふり”をしたとされる事務所という糾弾されるべき問題……があったのだが、

“こんな会見は茶番だ”怒号飛び交う会見に

「会見場は“質問させろ”、“おかしい”、“こんな会見は茶番だ”というような怒号が飛び交うような様相でした。会見のルールを守らない記者が複数いて……。会見の時間は限られており、すべての記者を当てられない、質問できなかったのですが、それは会見では普通のこと。今回の会見は1社につき1質問と決められていたのですが、それを守らず、挙手もせず、勝手に叫ぶように質問するような記者が少なからずいました。会見の運営について怒る記者、それを諌めようとする記者の声が入り混じって……。

 ジャニーズ事務所にハラスメントという“社会のルール”を追求するのであれば、質問する記者側も決められた“会見のルール”を守れというのが、中継などで見ている一般の人の意見だったと思います。検索ワードでは“記者の質問”がトレンドに入っていましたね。あまりに野蛮な様子だったからでしょう。本当に知りたいのはジャニーズ事務所側の見解であり、記者の個人的な考えなどはどうでもいい話ですから」(会見に参加したスポーツ紙記者)

 ジャニー喜多川氏の性加害問題が取り沙汰されて以降、テレビ・雑誌・ウェブ等の各種メディアはジャニー喜多川氏および事務所を厳しく追及している。

「元ジャニーズ事務所所属のタレントさんによる告発も含め、ジャニー喜多川という圧倒的に“上”の立場を利用した性加害。この令和の時代、いや令和でなくとも厳しく断じられるべきである問題について、メディアは当然ながら追求しています。確かにそれは正しいと思いますが……」(前出・会見に参加したスポーツ紙記者)

『ペンは剣よりも強し』。そんな言葉がある。しかし、それを持ったメディアの対応を疑問視する声がSNSを中心に上がっている(以下、『X』より引用)。

《今まで黙認してきたメディア等が手のひら返してジャニーズ叩きとか。どの口が言ってるんだって感じ》

《一般の人がジャニーズ事務所を叩くのはまあ理解できるけどメディアが叩くのはどの口で言ってんだと思う》

 性加害問題以降、メディアは東山らに“ジャニー氏の性加害を知っていたのか?”と激しく、厳しく追求しているが、

業界では、ジャニー喜多川氏の性加害は“公然の秘密”

「ジャニー喜多川氏のセクハラ・性加害は“公然の秘密”として業界で知られた話であり、ジャニーズ事務所内だけで知られ、そこだけで留まり鍵を掛けられてきたものでは、決してありません。

 それにも関わらず、テレビキー局、出版社などのメディアは、この問題が大きく取り沙汰されるまで彼らを起用し続けてきた。これは紛れもない事実です。“公然の秘密”を知りつつ使い続けた。

 ジャニーズ事務所が、つい先日に至るまで、芸能界においてこれほど権勢を振るえたのは、圧力のみならず、起用すれば視聴率が取れる、雑誌が売れるジャニーズタレントの恩恵を受けていたメディアが多かったから。単純明快な理由です。社内の部署ごとに主張が違うのは、報道機関・ジャーナリズムとして正しいことかもしれませんが、本件は犯罪といえるようなものなのでね……。それはある種“使うほうの責任”といえるのではないかと」(芸能プロ関係者)

 しかし、’23年夏、状況は変わった。

「現時点のようにジャニー喜多川氏の性加害問題が公になる前の時点では、“事実”なのか“噂”なのか、ジャニーズ事務所内と外部であるメディアでは、その解像度には差があると思います。その一方で、20年前にジャニー氏のセクハラが裁判で認められていることも事実です」(前出・芸能プロ関係者))

ジャニーズ使ってお金稼いでたじゃん

 2日のジャニーズ事務所の会見には300人以上の記者やライター、ジャーナリスト・レポーターが集まった。

「会見場に集まったメディア関係者は、これまでジャニーズと関係性を持っていた会社に属する人が多数。会社によって関わりの度合いは異なりますが、自分が所属する部署、もしくは社内の他部署は少なからずジャニーズと付き合いがある企業ばかり。キー局、大手出版社……などですね。そりゃ一般の人にしてみれば、“あんたの会社、ジャニーズ使ってお金稼いでたじゃん”になりますよね」(前出・会見に参加したスポーツ紙記者)

 会見では「“ファンも共犯者だ”とするという声がある」と話した記者に対し、東山と井ノ原は明確にそれを否定し、ファンを擁護した。応援するファンは商品の対価として金銭を支払うが、ビジネス的な意味で“利害関係”にない。本当の意味で利害関係にあるのはジャニーズを起用し続けているメディアである。

「ジャニーズを使い続けたメディアたちが、ジャニーズを追求する。それが今、起こっていることです。それこそジャニーズといろいろとあったライバル的な事務所は“なんなんだよ”と思いつつも、“チャンスだ”という感じですね」(前出・芸能プロ関係者、以下同)

「ジャニー喜多川氏の性加害を知っていたのか?」

 東山、井ノ原らジャニーズ事務所だけでなく、この刃を突きつけられるべきは、起用し続けたメディア側でもあるはずだ。

 ジャニーズ事務所が記者会見で話したことを実現し、健全化できるどうかはわからない。しかし、同じように健全化するべき部分はメディア側にもあるだろう。

 お互い「健全」になったうえで、改めて仕事ができれば、ジャニーズ・メディア・ファン、三方良しな仕事が出来るのではないだろうか──。

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