「はやて」停車回数、北高南低 東北新幹線全線開業ダイヤ

 東北新幹線の全線開業(12月4日)に伴うダイヤ改正で、仙台―盛岡間では「やまびこ」からの切り替えで増発される「はやて」の多くが各駅に停車する一方、郡山―仙台間の各駅は、これまで同様にまったく「はやて」が止まらない。仙台、盛岡両駅は新幹線全体の停車回数も大幅に増加。対照的に福島駅などにはほとんど恩恵がなく、全線開業の効果は仙台を境に「北高南低」の様相を呈している。
 新青森発着の新幹線は17往復すべてが「はやて」で、内訳は東京―新青森間が15往復、仙台―新青森間、盛岡―新青森間が各1往復となる。
 仙台―新青森間の所要時間は最短1時間41分。八戸で在来線に乗り換える現在の仙台―青森間に比べ38分短縮される。
 ダイヤ改正後の新幹線の停車回数は表の通り。仙台は9増、盛岡は3増となり、両駅では利用者の増加など、全線開業の効果が期待できる。
 「やまびこ」から切り替わる「はやて」上下計9本のうち、7本は仙台―盛岡間の各駅に停車する。この区間に限っては全席指定の「はやて」も自由席特急券で乗車でき、空席があれば座ることができる。区間内の通勤・通学定期の料金も「やまびこ」と変わらない。
 ダイヤ改正で、東京―盛岡間の「やまびこ」上下計9本は東京―仙台間に変わるが、「はやて」が増えることで、古川―新花巻間の各駅で停車回数は減らない。JR側は「やまびこからの切り替えで、不便が生じないよう配慮した」(盛岡支社)と説明している。
 一方、郡山―仙台間の各駅に「はやて」は止まらず、利用者は全線開業後も乗り換えなしでは青森方面に行けない。
 地元自治体とともに福島、郡山両駅への「はやて」の停車を求める要望書をJR東日本に提出している福島県は「7月にも要望書を出したが、見送られてしまった」(生活交通課)と残念がる。
 福島市の日本旅行福島支店も「覚悟はしていたが、やっぱりかという思い。新青森への直通列車が新設されれば、青森や北海道ツアーの新商品も企画できたかもしれない」と惜しむ。
 郡山―仙台間の「やまびこ」と「Maxやまびこ」は現在、上下計84本。ダイヤ改正後は平日朝に下り1本が増える半面、土日、祝祭日に昼間の上下計3本がなくなる。
 郡山、福島の両駅では全線開業日、お祝いのセレモニーなどの予定はないという。

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