「はんこ文化」の見直しなど日本企業のIT化へ政府が本腰を入れ始めた。
総務省は20日の有識者会議で、企業間でやりとりする請求書などの電子書類が本物だと証明する民間の認定制度の運用を2022年度から始める計画を提示。新型コロナウイルスの感染拡大で広がった在宅勤務(テレワーク)の定着に寄与すると期待される。
今回議論されるのは「eシール」と呼ばれ、企業が電子書類を作成したことを証明する社印の電子版。これが普及すると、出社して紙の書類に社印を押して郵送するといった手間が省ける。企業間で行き交う書類の電子化が進めば、在宅勤務をしやすくなる。
政府は世界銀行がまとめるビジネス環境評価で、30年に20カ国・地域(G20)で1位を目指す新目標も20日発表。IT化に遅れた日本企業がはんこや書類・対面決裁中心の習慣を見直せるかどうかがポイントとなる。