地域の福祉活動費に充てられる「赤い羽根共同募金」(中央共同募金会)で、寄付金が活用される市町村を選択できるシステム「ふるさとサポート募金」(通称ふるサポ)が東日本大震災の被災地支援の一助になっている。募金会は「ふるサポ」を普及させようと、寄付をした人に赤い羽根の代わりに各地域の特色あるグッズを贈る取り組みも始めている。
ふるサポは2009年11月、試験的に始まった。インターネットで古里など好きな市町村を寄付先に選べるのが好評で、募金実績額は毎年増加。赤い羽根募金全体の約138億円に比べるとわずかだが、12年度は初めて1000万円を超えた。
本年度の実績額は今月5日現在、約995万円と12年度を上回る勢い。
震災前は都市部への寄付が多かったが、今は岩手約30万円、宮城約51万円、福島約119万円と被災3県で全体の2割を占める。
寄付金は、現地の社会福祉協議会やボランティア団体などが地域の課題解決に活用。寄付金の使途を具体的に示す地域もあり、宮城県の募金会は「被災した公園の遊具設置」と設定している。
昨年10月には地域やテーマを選んで寄付した人を対象に、地域に応じたグッズの贈呈も始めた。
岩手県沿岸8市町村に寄付した人には、今月から震災がれきを加工した「おもいでキーホルダー」を贈る。沿岸部の被災者らが作る既存のグッズを募金会用にデザインした製品で、収入にもつながっている。
宮城県は、グッズを県の観光キャラクター「むすび丸」のピンバッジにしたことが寄付増加の一因になった。被災地支援への共感に加え、グッズの愛らしさが寄付意欲を高めているという。グッズは全国で12種類だが、各地に広がる見込みだ。
ふるサポの寄付は1口1000円で2口以上から。募金会のウェブサイトで申し込む。連絡先は中央共同募金会03(3581)3846。