「みちのく未来基金」奨学金で進学 震災遺児、地元貢献誓う

 東日本大震災で親を失った高校生の進学を経済面で支援するため、カゴメとカルビー、ロート製薬が設立した公益財団法人「みちのく未来基金」は25日、4月から大学や専門学校に進む1期生の門出を祝う会を事務局のある宮城大(宮城県大和町)で開いた。
 初年度奨学金を受けるのは25日現在、被災3県の94人(岩手35人、宮城53人、福島6人)。会には51人が参加し、一人一人が決意表明した。長沼孝義代表理事は「去年の夏から手探りだったが、何とか送り出せた。いつまでも応援するので、困り事があったら相談してほしい」と激励した。
 青森県の大学で農業を専攻する気仙沼市の女性(18)は「野菜の栽培技術などを学び、将来は地元で農業改良普及員になりたい」と抱負を語った。新潟県の大学に進む陸前高田市出身の男性(18)は「基金のおかげで大学に進めた。応援を頂いた分、世界に貢献できる人間になれるよう4年間勉強したい」と話した。
 基金は高校を卒業する震災遺児を対象に、大学や短大、専門学校の入学金や授業料などを年間300万円を上限に卒業まで給付する。今後25年間程度続ける方針。基金の財源は3社が毎年3000万円ずつ拠出する一方、個人や団体にも参加を呼び掛けている。
 新年度の募集要項は4月上旬にまとめる。連絡先は022(777)8157。

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