宮城県内各地で長年栽培されてきた野菜など在来作物の存続を支え、魅力を伝える「みやぎ在来作物研究会」(若生裕俊代表)の発足を祝うキックオフフォーラムが17日夜、仙台市宮城野区のホテルであった。
研究会は、山形県で在来作物を守る活動を続ける「山形在来作物研究会」にならい設立された。フォーラムでは、山形の研究会活動などを取り上げたドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」(渡辺智史監督)のダイジェスト版を上映後、山形の研究会会長で山形大農学部准教授の江頭宏昌さんが、在来作物の定義や特色、種を守る意義、地域への波及効果などを語った。
約60人の参加者は両県の在来作物の料理も楽しんだ。宮城側は「伊場野芋」(宮城県大崎市)の衣かつぎ、「小瀬菜大根」(宮城県加美町)のヨーグルト漬け、山形側は「次年子かぶ」(山形県大石田町)の酢漬け、「南沢かぶ」(山形県尾花沢市)のみそ漬けなど工夫を凝らした献立が並んだ。
参加した宮城県利府町の主婦大類直子さん(62)は「種を守り次代につなぐ営みを知ることは、豊かな食を通じた世代間交流につながると思う。在来作物の生産現場を見に行くツアーも企画してほしい」と話していた。