「やきとり」と「焼き鳥」は、違う食べ物だった!? (R25)

会社帰りにちょいと一杯。そんなときに最適なやきとり屋。単価も安いし、サラリーマンの強い味方である。しか~し、僕らはどれだけ焼き鳥のことを知っている? ああ見えて奥が深いのだ。例えば「やきとり」と「焼き鳥」の違いをご存じ?
日本一(?)のやきとりタウン・東松山(埼玉)の「やきとり ひびき」日疋好春社長の話によると、「『やきとり』は豚肉、『焼き鳥』は鶏肉です。昔は豚肉も鶏肉も高級品でしてね。一般庶民でも気軽に食べられるように、東松山では、通常は捨てる豚の部位を串刺しにして売り始めたのが最初です。当初は『やきとん』と呼んでいたのですが、名前的にしっくりこない。そこで先に定着していた『焼き鳥』の名称にあやかって、平仮名で表記したんです。それを始めたのは私の父なんですよ」とのこと。
肉だけの違いかと思いきや、同じ「やきとり」でも各地で食べ方まで異なるという。全国やきとり連絡協議会に登録されているやきとり都市(室蘭、福島、東松山、今治、久留米)のなかで、東松山のほかに室蘭も豚派。東松山は辛味噌をつけて食すのに対し、洋ガラシをつけて食すのが室蘭流だ。またスタンダードな“かしら”でも、肉の間に野菜がサンドされているのが普通。東松山はネギ、室蘭は玉ネギが挟まっている。
「肉や食べ方の違いだけじゃないんですよ。以前、宮崎の方に『関東では、やきとりは串に刺さってるって本当ですか?』と聞かれたことさえあります」(同氏)
東京人は「串ナシだと、やきとりって感じがしないよ?」なんて思いがちだが、今治も鉄板で焼く。今治の人はせっかちで、焼きあがり時間短縮のために鉄板焼きにしたそう。究極は久留米。魚や馬まで串に刺して「焼き鳥」と呼んじゃう豪快さだ。
“やきとり”と言っても、肉・味付け・焼き方はさまざま。今後焼き鳥屋に誘われたら、「何の肉の?」なんて切り替えしが必要になってくるかも?
(R25編集部)

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