「わかめ羊」が「ワインパミスわかめ羊」に 南三陸で飼育

「わかめ羊」が「ワインパミスわかめ羊」に進化-。地元産ワカメの茎を使った飼料で育てたわかめ羊のブランド化を進める宮城県南三陸町歌津の「さとうみファーム」が、同町の「南三陸ワイナリー」のブドウの搾りかすを新たに飼料に配合した。生まれた肉質は臭みもなくておいしいと上々の評判だ。

ワインの絞りかすやワカメが入ったエサ

イノシン酸6倍

 2014年から飼育するわかめ羊の飼料は、メカブをそいだ後のワカメの茎を細かくし、牧草などと交ぜて発酵させる。そこにワインの醸造過程で出る「ワインパミス」と呼ばれるブドウの皮や種を交ぜ、さらに発酵させた新飼料を今年1月から与えた。

 わかめ羊はワカメの豊富なミネラル分によってうま味成分のイノシン酸が6倍に増え、臭みも抑えられた。ワインパミスにはポリフェノールなどが多く含まれ、一層の肉質向上が期待できるという。

 ファームではこの肉を直接販売しているほか、バーベキュー(予約制)でも楽しめる。友人とのバーベキューで18日に訪れた仙台市若林区の会社経営の男性(51)は「ジンギスカンが好きで多くの店を巡ったが、くせがなく別格においしい」と目を輝かせた。

28日にお披露目

 さとうみファーム代表理事の金藤克也さん(56)、南三陸ワイナリー社長の佐々木道彦さん(49)はともに東日本大震災後の復興支援を機に町外から移住した。ファームは首都圏のレストランに卸すなどブランド化が軌道に乗る。ワイナリーも20年秋から自社醸造を始め、搾りかすを提供できるようになった。

 ファームは完全予約制の食堂の運営も準備している。金藤さんは「町の方々にも味わってほしい」と期待。佐々木さんは「南三陸が目指す資源循環型の町づくりにも合う。おいしい食とワインを通じて町を好きになってくれればうれしい」と力を込める。

 南三陸ワイナリーは28日午後7時、ワインパミスわかめ羊や地元産カキ、ギンザケをコースで味わえる発表ワイン会を開く。8000円で16人限定。25日締め切り。24日は定休日。連絡先はワイナリー0226(48)5519。

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