「アリは地震を予知する」 M2.0発生前に行動変化、ドイツの研究で明らかに

アリに地震発生を事前に感知する能力があるかもしれないことが、3年間の観察研究から明らかになった。
アカヤマアリ。画像はWikimedia Commons
 アリに地震発生を事前に感知する能力があるかもしれないことが、欧州地球科学連合(EGU)の年次総会で発表された観察結果から明らかになった。
デュイスブルク=エッセン大学の地球生物科学者、ガブリエレ・ベルベリッヒは、ドイツの断層ちかくに生息するアカヤマアリ(Formica sanguinea)の活動を3年間記録し、マグニチュード2.0以上の地震が起きる際に、このアリたちに行動の変化があることを発見した。
 このアリたちは通常は日中に活動し、夜は巣の中にいる。けれども地震が起きる前には、アリたちが夜通し巣の外にいることが観察されたのだ。
夜の活動場所を変更することは、アリにとっては捕食者に襲われるリスクが増すことにつながる一方で、土が崩れてきて埋められる危険はなくなる。ベルベリッヒ氏はこの行動の理由として、アリたちが大気や地球の電磁場の変化を感知できるからだと考えている。
 「アカヤマアリは、炭酸ガスの増加に対する化学受容器と、電磁場に対する磁性受容器をもっている」
 ドイツは必ずしも地震のホットスポットとして知られているわけではないため、次のステップでは、より大規模な地震が起こりやすい地域に場所を変えて研究を行う計画だという。

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