剛力彩芽さんが叩かれているらしいです。なぜ? どうして? みんな名作『女囚セブン』観てなかったの?? 京都弁ネイティブが最も忌み嫌うといわれている「京都弁使わない人がイメージする京都弁」を完璧に使いこなす剛力彩芽でお馴染みの『女囚セブン』ですよ。私、あのドラマで心底剛力さんの“煽り力”に魅了されたので、今叩かれてるの全然納得いかないですし、だいたい納得してます。
おじさんタレント苦言を連発……からのこじるり
さて、もう散々既出も既出の通り、剛力さんと、ZOZOTOWNを運営する幕張の会社の社長・前澤友作さんとの熱愛が発覚。さらに自身のSNSで仲睦まじい様子をアップしていることに世間がざわついております。バッシングのきっかけになったのは、先のワールドカップ決勝を現地観戦した画像。プレミアチケット、VIP席、プライベートジェット、そして女優……持たざるものたちのコンプレックスをぐりぐり刺激するこれらワードに、おじさんタレントが過剰反応し、主に剛力側を諫める「苦言」を連発。そのバトンをしっかり受ける形で、こじるりこと小島瑠璃子が「(前澤氏に対して)ドン引き」「彼女のことを本当に考えていたらやらない」などとコメントし、主にプライベートジェットを持たないおじさんたちを喜ばせていました。さすがです。
この一連の流れに対し、「日本人は嫉妬深い」「文句を言ってるのは女だ」「いや男だ」「そもそもSNSに個人的なことを載せるほうが悪い」「紗栄子が悪い」など様々な意見がインターネットを飛び交いました。しかし大体の人間は嫉妬深いですし、女だろうが男だろうが文句言いますし、SNSなんて個人的なこと載せるためのメディアだし、紗栄子が悪い。そもそも盗んだプライベートジェットで走り出したわけでもないでしょうに。理由なきイライラを正当化しようとして一億総「俺はいいけどYAZAWAはなんていうかな」状態になっていたのかもしれませんが。
“SNSの丸刈り”インスタ削除で形勢逆転
とはいえ、自由恋愛の世の中です。何となく「金持ちアピールする実際金持ってる年の差カップル」という着地点が見えてきたところで、起きたんですよ、あの事件が。起きたというか、起こしたのか。なんと剛力さん、反省の弁とともにそれまでインスタに上げた全ての投稿を削除してしまったのです。ここで一気に形勢逆転。「そこまでする必要ないのに」「誰が彼女を追い詰めたのか」と剛力さんはこの騒動の「被害者」になりました。全盛期の霧島もびっくりの、うっちゃり!! すごいですよ、これ。こんな攻撃方法があったのか……と唸らされました。AKBの峯岸さんがやった“丸刈り禊”のSNS版じゃないですか。問答無用で世間を「なにもそこまで……」とどんよりさせてしまう、SNSの丸刈りでした。
なにがすごいって、これめちゃめちゃ効果が高いわりに、よくよく考えたら全然本人的にはダメージないとこなんですよね。当たり前ですけど、丸刈りにしたところで、髪はまた生えてくる。インスタの投稿全削除したところで、大事な写真データは手元に残っている。それなのに「ものすごく大きなものを失わせてしまった」と相手に感じさせるのは、なぜなのでしょうか。
宮沢りえさんの「アカウント閉鎖」よりショッキング
「全削除」と似た類の“ショックツール”として、芸能人にはアカウント「閉鎖」という切り札があります。最近ですと、V6の森田剛と結婚した宮沢りえが、コメント欄での罵詈雑言に耐えかねてインスタアカウントを閉鎖しました。でも不思議なことに「閉鎖」より「全削除」のほうが、ショッキング感強い。普通に考えれば、「閉鎖」のほうがより「取返しつかない」度合いは高いのに。あくまで私的な感覚ですが、「閉鎖」は一時ニュースになるもすぐ収束していくのに、今回の「全削除」はそれが剛力擁護の強い後押しになっている。ここに私は剛力彩芽の芸能人、タレントとしてのしたたかさを見てしまうのです。
「閉鎖」は逆ギレ、「全削除」は反省……
なんやかんやで芸能ニュースがもてはやされる背景には、「芸能人はすべてを我々の前にさらけ出すべき」という、一般人の欲求・欲望があるのだと思います。「有名税」なんて言葉で片づけられますが、有名人は私生活を根掘り葉掘りされてしかるべきだと、どこかで思っている節がある。「全削除」と「閉鎖」の受ける印象の違いはここにあると思うんです。今まで開いていたものを、芸能人が自分の都合で「閉じる」こと、そこには「反省」よりも「逆ギレ」に近い何かを感じるのではないでしょうか。「せっかく見せてあげてたのに、そんなに言うならもう見せてやんない、こっちはこっちだけで楽しみます」的な、逆ギレをね。
しかし「全削除」はアカウントは開いたままで「あなたの気に食わないものを消します」というもの。あくまで芸能人としての「見せる」責任を果たしたまま、反省の色だけ滲ませられる。はぁぁ剛ちゃんすごいね。一般人の欲望を満たした上で、さらにそれを利用する。相手の力を利用しながら、すっと力の方向を変えてしまう。叩いている人間より、擁護している人間より、タレント剛力彩芽は何枚も上手ということは、今回の騒動でよく分かったことです。
「全てを消して一から出直します」と宣言して、また恋人の写真をアップする。これぞ『女囚セブン』で全京都人を敵に回した剛力の煽り力。ただこれだけは忘れないでください。あのプライベートジェットの内装選びに関わっていたというだけで「紗栄子、剛力彩芽に“激怒”のウワサ!」とネットニュースになってしまう紗栄子。よくよく読んだら「嫉妬深い性格だからアイツだったら怒ってそう」という、憶測記事だった紗栄子。紗栄子が元カノじゃなかったら、たぶんこんなに面白いことにはなっていないはずなので、