「ウェンディーズ」日本再上陸は27日

宅配のドミノピザなどを手がける「ヒガ・インダストリーズ」(東京都港区)は5日、2009年末に日本から撤退した米ハンバーガーチェーン「ウェンディーズ」の“再上陸”1号店を、27日に東京・表参道にオープンすると発表した。今後5年で100店舗に拡大し、将来的には700店舗体制を目指す。
 1号店は東京メトロ表参道駅からすぐの、複合施設「表参道ヒルズ」の近くに27日正午、オープンする。店舗の延べ床面積は約300平方メートルで客席は78席。来年1月3日までの営業時間は午前9時~午後9時で、4日以降は午前8時の開店になる。「ウェンディーズバーガー」や「チリ」「フロスティ」などの定番メニューに加え、日本オリジナル商品としてフォアグラテリーヌをのせたバーガー「フォアグラ・ロッシーニ」など特製バーガー4種もそろえる。
 ヒガは3月初旬、米ウェンディーズ・アービーズ・インターナショナルと資本業務提携で合意。直後に東日本大震災が起きたものの今後の復興が見込めるとして、4月に合弁会社「ウェンディーズ・ジャパン」を設立、日本再出店にこぎつけた。ヒガは1980年代、米宅配ピザチェーン「ドミノ・ピザ」とライセンス契約を結び、2010年に事業売却するまで日本市場に宅配ピザを広めた実績がある。ここで培った外食のノウハウを生かし、国内市場でシェアを伸ばしたい考えだ。
 ただ、ウェンディーズが09年末に撤退した背景には同業他社との競争激化がある。
 国内1号店は1980年、当時事業拡大を進めていたスーパーのダイエーが子会社を通じて銀座にオープン。首都圏などに出店を拡大していったが、経営危機に陥ったダイエーが子会社整理の一環として2002年、牛丼チェーン「すき家」を展開する外食大手のゼンショー(現ゼンショーホールディングス)に身売りした。
 経営を引き継いだのは『すき家』などを運営するゼンショーだが09年12月に「牛丼などに経営資源を集中させる」として、同月での契約切れを待って、全71店を一斉に閉鎖。日本から撤退した。08年度の営業利益は黒字だったものの売上高は01年度比約2割減で、当時業績を急伸してきた日本マクドナルドなどとの競争激化が要因とみられている。
 競争の厳しい国内外食市場への再参入でどこまでシェアを獲得できるか、宅配ピザ勝ち頭であるヒガの手腕が注目される。
 ◆外食業界に強い野村証券の繁村京一郎シニアアナリストの話 「再参入で話題にはなるもののウェンディーズが出店する都心部は特に競争が激しく、これまでにない目新しさや価格面での工夫を見いださなければ楽観視はできない」

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