日本画の故平山郁夫さんをはじめ、国内外の芸術家の作品を集めた美術館「エール蔵王 島川記念館」が16日、宮城県蔵王町遠刈田温泉に開館した。開館記念の企画展「平山郁夫展」も同日始まった。8月25日まで。
開館式で、同記念館の松木伸一郎理事長が「東北にこれだけの平山氏の作品がそろう機会はなかった」と述べた。
会場には、同記念館や平山郁夫美術館(広島県尾道市)などが所蔵する平山さんの作品計52点を展示。横山大観や東山魁夷、小磯良平、岸田劉生、田中一村、板谷波山ら日本を代表する画家や陶芸家の作品約80点も並ぶ。
注目は平山さんの傑作「法然偏衣善導」(縦171センチ、横364センチ、京都・知恩院所蔵)。法然上人が夢の中で師である中国の高僧善導から教えを受ける場面「二祖対面図」を荘厳に描いた作品で、東北初公開という。
被ばくの後遺症に悩んでいた平山さんが訪れ、元気を取り戻した思い出の地を描いた六曲一双の大作「流水間断無(奥入瀬渓流)」など東北ゆかりの作品も多い。
開館時間は午前10時~午後5時、月曜休館(祝日の場合は翌日)。入館料は一般1000円。連絡先は同記念館0224(26)9501。