「ガリガリ君」猛暑で売れすぎても困る実情 増産態勢は万全も人手不足に

観測史上最高気温を記録する地域が続出するなか、強い味方がアイス菓子だ。なかでも人気の「ガリガリ君」は出荷量が前年比3~4割増と絶好調だ。同様に猛暑だった2010年には売れすぎて品薄状態になったが、製造元の赤城乳業は「今年は大丈夫」と自信を見せる。ただ、悩みもあるようで…。

「ガリガリ君」といえば、コンビニに行けば年間を通じて手に入らないことはないといえるほど定番中の定番だ。

天候不順だった昨年の夏の反動もあって、このところの出荷量は前年同期と比べて3~4割も増えているという。

ただ、10年夏の猛暑の際には主力の「ガリガリ君ソーダ」の生産が追いつかず、安定供給が困難な状況に直面した。8月3日から品薄状態に悩まされ、ようやく積極的な販売を再開できたのは9月28日のことだった。

今年も「ガリガリ君」が品切れにならないのか気になるが、同社の埼玉県本庄市にある主力工場「本庄千本さくら『5S』工場」は、15年にアイスバーの製造ラインを1台増やすなど生産態勢の増強を行い、最盛期は1日に約300万個のアイス菓子を生産する日本屈指の工場になった。

24時間フル稼働で生産しているというので、単純計算で1分間に約2080個のアイス菓子が生産できることになる。

生産態勢は増強されたが、猛暑が続いた場合、同社が頭を悩ませるのが、人手の問題だ。

前出の広報担当者は「通常、工場従業員は土日の勤務は行わないが、夏の最盛期は土日の勤務も検討しなければならない」と語る。本社からのスタッフ派遣や増員、シフト調整など多方面から検討しているという。

ちなみに「ガリガリ君」の楽しみの1つでもある“当たり棒”だが、「夏場に生産量が増えたからといって、当たりの確率に変化が生じることはありません」と広報担当者。

夏場は工場見学に訪れる人も多い。それもそのはずで、「アイスの試食」といううれしい特典が待っているのだ。同社では親近感を持ってもらうために、業務に支障のない範囲で従業員から見学者に手を振ってもらうように呼びかけているとのこと。見学者の前で疲れた顔は見せられない。

社員も無料という「ガリガリ君」を食べ、全社一丸となって暑い夏を乗り切る。

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