「ギターのギブソン」経営危機報道に「マジか」 米国の会社側は「事業のスリム化」公表

米国の楽器メーカー「ギブソン」の経営が危機的な状態にあることを、本拠地のある米テネシー州・ナッシュビルの「ナッシュビル・ポスト」や「ナッシュビル・ビジネス・ジャーナル」などが報じた。

プロ・アマチュア問わず愛用するミュージシャンが多い老舗中の老舗とも言えるメーカーの現況に、音楽ファンから驚愕の声が上がっている。

約400億円の返済期限近づく

ギブソンは1902年創業。現在のギターのスタンダードの1つでもある「レスポール」モデルを売出し、それ以外にもSG、フライングV、エクスプローラーなどの人気モデルを数々打ち出した老舗楽器メーカーだ。

ジャンルを問わず、数々のミュージシャンが愛用しており、特に人気の高いヴィンテージ品は高額で取引されているものも少なくない。

歴史あるモデル以外にも、自動的にチューニングを合わせるロボットギターなど変わったモデルを発表し、度々注目を集めている。

しかし、2017年にメンフィスの自社工場を売却しているなど、現在の経営状態は順調とは言えない。

ナッシュビル・ポストは18年2月9日(現地時間)、ギブソンは年に10億ドルほどの収入がある一方で、3億7500万ドル(約400億円)の借金が夏に返済期限を迎える上に、それが解消されない場合、別の1億4500万ドル(約154億円)の銀行ローンも支払わなくてはならず、「時間切れ」だと、その経営状態の厳しさを報じた。

こうした報道が日本でも伝えられ、ツイッターでは

「マジか。 ウチのもギブやで」
「有名メーカーだからって安泰って訳でもないんだね」

と、驚きの反応が相次ぎ、一時はトレンド欄にも入った。

オーディオ部門への注力で業績回復目指す

ギブソンは報道を受け、15日(米東部時間)にプレスリリースを公開し、事業のスリム化と集中という方針を発表した。

ギブソンは、楽器やプロ向けのオーディオ部門は収益を上げて成長しているものの、以前ほどの水準ではないとし、一般消費者向けのオーディオ機器を扱う「フィリップス」へ注力し、同時に収益性が期待を下回る部門を排除することで、

「来年中にもギブソン史上最高の結果へと導き、数年以内には負債を払えるようになると期待している」

と、今後の見通しについて説明した。

また、ヘンリー最高経営責任者(CEO)は、株や不動産といった分野のマネタイズを推進し、負債を減らし、資金を増やしていくとコメントしている。

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