消費者庁はこのほど、 アプリを用いて「ゲーム感覚で毎日3万円稼げる」などとうたい、多額の金銭を支払わせる事業者に関する相談が各地の消費生活センターに数多く寄せられているとして、注意を喚起した。
同庁によると、東京・銀座のCCSという業者が「ゲーム感覚で毎日3万円稼げる次世代の複合型アプリTech Box」「0円から始めて1年後1080万円完全保証」といった広告で自社のWebサイトに誘導し、「Tech Box 無料アプリ」をダウンロードさせるという。
「Tech Box」については、「同一の仮想通貨について、複数の取引所間で価格差が生じた際に、通知音および点滅で知らせる機能を有するアプリで、1日15分の操作で、通知音と点滅のタイミングで仮想通貨の取引をすることで、毎日最低3万円の収益を確実に得ることができる」、「Tech Box 無料アプリ」については「Tech Boxを体験できる無料のデモンストレーション版であると説明されている。
ユーザーは「Tech Box」の開発者である南栄作のLINEアカウントを友だち登録すると、無料アプリを使えるようになる。無料アプリでは、あたかも仮想通貨の7つの取引所に口座が開設され、入金されたかのような状態が画面上に表示され、所定の仮想通貨について、取引所間で価格差が生じると、スマートフォンのプッシュ通知が機能し、ユーザーに通知されるという。無料アプリを開くと、「TRADE」画面上の取引所の表示が点滅し、これをタップすると、取引が完了して収益が確定したとされ、当該取引によって獲得したとされる収益が表示される。
CCSは無料の会員登録をしたユーザーに対し、本番環境アプリをプレゼントするとして、有料会員となることを勧誘し、入会費用として9万8000 円の支払いを求める。
さらに、CCSは、本番環境アプリを利用するユーザーに対し、より高額なアプリ、「Tech ROID3.0」の購入を勧誘する。「Tech ROID3.0」については、本番環境アプリの機能に加え、ユーザーによる1日15分の操作すら不要で、確実に1日に15万円を稼ぐアプリであると説明される。
同庁は、本番環境アプリと「Tech ROID3.0」について、CCSが説明するように、確実な収益を得ることができる仕組みになっていないことを確認し、収益の実績を確認できなかったとしている。