4年ぶりに“制約のない”ゴールデンウィークに、海外旅行へ出かける人が増えています。海外にどっと人が繰り出す光景は、コロナ前に戻ったようですが、この3年の間に、行く先や楽しみ方は変わっているようです。 台湾・台北のフォトスタジオを訪れた、韓国人の崔嘉仁さんと申晋旭さんは来月、婚姻届けを提出します。日本で20年近く暮らす2人が、ここを目指して来たそのわけは…。 崔嘉仁さん:「ネイルショップとか美容室に行きたいという時に、台湾だと日本語で検索しても、すぐ出るような感じだった。こういう華やかな衣装は男性の和装にはないので、違う雰囲気が出ていいなと」 4泊5日の旅で、ウエディングフォトを撮って、予算は60万円。結婚式を挙げる予定はなく、思い出の1枚を残すことにしました。ドレスの採寸をした後、2人が向かったのは、小顔マッサージ。2日がウェディングフォトの撮影本番だといいます。 台湾は去年9月、外国人観光客の受け入れを再開しました。水際対策も大幅に緩和し、旅行大手『HIS』によりますと、今年のゴールデンウィークは、予約者数で2位にランクインしました。その魅力は…。 観光客:「休みが9日間しかないので、遠くに行くと2日くらい移動になる」「みんなマスクしていて、安全さはある。日本に近いところがあるから、過ごしやすい」 台北の三大夜市に数えられる『寧夏夜市』にもにぎわいが戻ってきました。隙間なく、びっしり軒を連ねる、この夜市も、2年前はにぎわいが消え、道路の両端は駐車場として使われていました。カキの入ったオムレツを半世紀以上、焼き続けてきたお店では…。 頼炳勳店長:「(Q.日本人観光客が増えたことは)もちろん助かる。台湾で飲食・観光・娯楽にお金を落としてくれる。私たちも観光客に真剣に接している」 成田空港によりますと、ゴールデンウィークに出国する人は30万人余り。コロナ前と比べると、まだ6割以下ですが、去年の7倍以上になるとみられます。海外旅行も近距離路線の需要が高まるなか、一番の人気は韓国・ソウルです。日本人観光客を受け入れる準備が進められていました。 河村聡記者:「こちらポーチ200円、スカーフ200円。こうした日本語での案内、コロナの流行後はかなり減っていましたが、ここ最近は多くの店が再び出しています」 ソウルの繁華街・明洞(ミョンドン)は閑散としていた時期もありましたが、1日はにぎわいを取り戻していました。 観光客(40代):「(Q.すごく大きい袋を持っているが)推し(韓流アイドル)が広告している洋服屋さんの洋服とか、お土産を買った」 観光客(30代):「ファンデーション、アイライナー、マスカラとか一式を買った。久々の海外旅行なので、気持ちが開放的になるし、財布のひもも緩む」 根強い人気を誇る、癒しの島にも日本からの観光客が戻ってきました。 3年半ぶりにハワイを訪れた人:「(Q.今回の旅行はいつ計画)1年前。とにかくビーチでボーッとしたかった。青い空、青い海、この風を感じたかった」 30年ぶりにハワイを訪れた人:「(Q.この旅行はいつから計画)コロナが始まるかどうかくらい。その時に、今の分を予約していた。(Q.それまでにコロナが収束すると)信じて」 ホノルルの街も、日本人の姿が目立つように。コロナ禍では、ロックダウンや厳しい水際対策により、観光客が激減。しかし、去年の年末からの大幅な水際対策の緩和も手伝い、まだまだとは言え、受け入れ側の期待が膨らんでいます。 『ウルフギャング・ステーキハウス』ワイキキ店・城戸将博マネージャー:「ゴールデンウィークに入ってから、かなり日本人観光客が増えた。3年ぶり4年ぶりに来られた、お客さまもたくさんいる。大変うれしく思っている」 ただ、円安や物価高の影響は避けられません。アメリカ・ニューヨークのタイムズスクエアでも、日本人観光客を探すのは難しくなりました。そんななか出会った、日本人の3人組は、念願だったというアパレル店を訪れました。 観光客(20代):「めっちゃ良かった。かわいかった。ディスプレーの仕方が全然違って、店内がアートみたいな感じで」 しかし、何も買えず…。この旅は、お財布と相談しながらとなりそうです。 観光客(20代):「めちゃくちゃいいレストランは避けて。怖いので」 イギリス南東部の小さな都市にも、日本人の姿がありました。お目当ては、ブライトンでプレーするサッカー日本代表の三笘薫選手。この日は、後半10分からの出場でしたが、試合は6-0で快勝。今回の旅の予算は妻と2人で90万円かかるといいます。 海外サッカーファン・齊藤剛大さん(31):「(Q.物価は高い)高いですね。水は300円くらい。(Q.それでもわざわざ来たのは)コロナで全然行けてなかったので来たかった」 海外旅行は5年ぶりでした。その甲斐あって、試合後は笑顔であふれていました。三笘選手から、直接サインをもらえたといいます。