「サバイバルファミリー」ロケ地マップで防災

仙台市で主要シーンを撮影したコメディー映画「サバイバルファミリー」がTOHOシネマズ仙台などで11日公開されるのを受け、製作支援したせんだい・宮城フィルムコミッション(FC)はロケ地マップを作製した。映画の主題は、突然の大停電に見舞われた平凡な家族の奮闘。FCは東日本大震災を経験した都市から全国に防災を発信する機会と位置付け、マップにも非常時の生き残り術を盛り込んだ。
A3判四つ折りで2万部を印刷。県内の映画館に設置するほか、初めての試みとして東京、大阪の試写会でも配布する。
仙台では一昨年9月下旬から約2週間にわたってロケが行われた。小日向文世さん演じる鈴木義之の一家4人が暮らす東京郊外の設定で、太白区の市営住宅や青葉区の東北学院大土樋キャンパス、若林区の卸町通がスクリーンに登場する。
これまでのロケ作品と違い、本作では定禅寺通や広瀬川といった仙台のシンボル的な風景は出てこない。マップも、観光案内以上に防災を前面に打ち出す内容となっている。
映画では停電で物流も情報網も完全まひし、震災直後を思い出させる困難な状況が描かれる。各シーンをちりばめたマップの見開き面には、市減災推進課による「水と非常食1週間分の備蓄を」「日頃の近所付き合いが非常時の力に」などのコメントを付けた。
FCの桜木隆さん(62)は「観光客を呼び込むためだけでなく、防災知識をアピールする宮城ならではのメッセージにしたかった」と強調する。
映画公開前、キャンペーンで仙台を訪れた矢口史靖監督(49)は「東京に見える都市規模があり、支援体制が整っていることから撮影地に選んだ。FCもエキストラも、複雑な要望にしっかり応えてくれた」と感謝した。

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