「サプリメント同士」の“のみ合わせ”リスク もっとも注意すべきは「同じような効果のものを何種類ものむ」ケース

健康のために、日常的にサプリメントを摂取する人も多いだろう。その効果を期待して、あれもこれもと欲をかき、何種類も手を出すと思わぬ健康被害を招きかねない。専門家への取材などをもとに、やってはいけないサプリメント同士の組み合わせ例を紹介する。

成分上限量はしっかり確認

 薬や食品とののみ合わせリストから浮かんでくるのは、「栄養成分の過剰摂取」と「作用の阻害」というデメリットだ。それはサプリメントを複数種類、同時に摂ることでも起こりうる。内閣府のデータによると、サプリメント利用者は2〜4種類を摂っている人が最も多く53.8%、5種類以上の6.8%と合わせると約6割が複数のサプリメントを利用しているが、のみ合わせには慎重になるべきと指摘するのは薬剤師の三上彰貴子さんだ。

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「もっとも注意すべきは、同じような効果のものを何種類ものんでいるケースです。DHAやEPA、フィッシュオイルなど書き方が違いますが似たようなサプリ。また、同時に血液をサラサラにする作用のあるサプリは何種類かあります。また、脂溶性のビタミンであるビタミンA、D、Eなどは、医師から処方されることもあります。プラスしてマルチビタミンなどを飲んで摂取しすぎると過剰症のリスクもあります」

 銀座薬局代表で薬剤師の長澤育弘さんも続ける。

「不足しやすいと指摘されるカルシウムや鉄も、実は過剰摂取のリスクがある栄養素です。ビタミンやミネラルには耐容上限量が国の基準で定められているので、サプリメントをのむ場合には含まれる成分量を確認し、必ず用法・用量を守るようにしましょう」

 体に異変を感じたら、すぐに摂取をやめ、医師や薬剤師に相談することも忘れずに。それは紅麹騒動の教訓でもある。

「サプリメントは医薬品でないぶん、効果が得られない場合にのむ量を増やしたり、いつまでものみ続ける人も少なくありません。過剰な摂取で気づかないうちに体が蝕まれていることもある。

 サプリメントをのむ場合には薬と同様にかかりつけの医師や薬剤師に相談し、のみ始めてからも定期的な検診で数値に異常がないか確認する習慣をつけてください」(長澤さん)

 健康のためと思ったことが、思わぬ害を生まぬよう、その一錠が本当に必要か、まずはそこから考えよう。

取材/小山内麗香 写真/PIXTA 監修/長澤育弘さん

※女性セブン2024年5月9・16日号

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