「ジャニーズ性加害」海外でも進む訴訟準備…約3560億円の賠償額を請求された団体も

ジャニーズ事務所のジャニー喜多川前社長の性加害被害者でつくる「ジャニーズ性加害問題当事者の会」による海外での訴訟はどうなるのか。 【写真】元気だった頃のジャニー喜多川  同会は4日、都内で会見。「再発防止特別チーム」の提言を受けてジャニーズ事務所は7日に会見を行うが、その前に当事者の会として意見表明し、ジャニーズが議論をリードしないようにけん制した。その中には、事実究明、対話救済基金の設立、対話救済委員会の設置などを求めている。  当事者の会代表・平本淳也氏は「ジャニーズ事務所が(会見で)何を言うか、どういう姿勢なのか次第ではある」と話しながらも、国内での刑事告発も示唆。また、副代表の石丸氏も「対話が決裂した時に訴訟に入る。今のところ、訴訟はオプションだと思ってもらえたら」と説明し「私たちも要請書をいい加減に書いたつもりはなく、弁護士の先生からも知恵を拝借しました。ジャニーズ事務所に届き、受け入れてもらえることを願うばかりです」と強調した。  さらに注目を集めるのは、訴訟が国内にとどまらず、海外も視野に入れていることだ。  平本氏は「(海外訴訟について)相当な準備をしています。具体性をもって進めていて準備は万端です。民事でやります」と話す。  海外での被害例としては、同会のメンバーでアイドルグループ「忍者」の元メンバー・志賀泰伸氏が、ハワイでジャニー氏からの被害を訴えている。場所はハレクラニホテルの最上階だったという。すでに国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会によるヒアリングにも回答済みだ。  また、同会メンバーの大島幸広氏も同じくハワイだった。シェラトンワイキキのスイートルームで被害に遭ったことを明かしている。  米メディアによると、カリフォルニア州、ニューヨーク州、ニュージャージー州では近年、性的被害に関する提訴期限が撤廃され、損害賠償請求の申し立てが続出している。  2020年には、ボーイスカウト経験者約9万人が「ボーイスカウトアメリカ連盟」(BSA)に対して性的被害を告発したことがあった。  告発者の大半は男性で、年齢は8~93歳。活動などが認められた証拠となる「功績バッジ」を目当てに、少年たちの間では年上の男性からの性加害が常態化していたという。賠償額は24億5000万ドル(約3560億円)に上り、BSAは米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請を余儀なくされた。  事情を知る関係者は「現場が米国内であることから、ジャニー氏の性加害訴訟は状況的に可能とみられています。すでに海外の訴訟に精通する弁護士が当事者の会についています」と明かす。  波紋は広がる一方だ。

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