元ジャニーズJr.で、「Kis-My-Ft2」結成時のメンバーだった飯田恭平さんが、ジャニー喜多川氏による性加害について、約5年間にわたって繰り返し被害を受けたと初めて証言しました。 【写真を見る】「ジャニー氏から5年間性被害」元キスマイの飯田恭平さん 被害の補償、具体的にはどうなる【Nスタ解説】 ■「辞めた理由は性加害」 元「キスマイ」結成時メンバー 飯田恭平さん 「寝ていた私に対して、マッサージをしていて、そこから行為に及んだ」 ジャニー喜多川氏からの性加害について、こう証言するのは、元ジャニーズJr.の飯田恭平さん(35)です。 最初の被害はジャニー氏の自宅マンションで、事務所に入った13歳の頃から、5年間に及んだといいます。 飯田さん 「(性加害は)数十回ではおさまらないです。そこから定期的にずっと続いていた」 飯田さんは「キスマイ」結成時のメンバーでしたが、1年ほどで脱退。事務所も退所しています。 理由はこれまで「学業」のためとされてきましたが、今回初めて、「性加害が理由だった」と明かしました。 飯田さん 「そういったこと(性加害)を受けながら、この世界に居続けるのかどうか、18歳になる辞める直前に、とても悩んだ」 その上で、いま声を上げようと決めた理由について、こう話します。 飯田さん 「それを黙って、黙認していたことによって、新たな被害者を生んでしまったんじゃないかと、ものすごく心の中で後悔があって。やっぱり(自分の)子どもたちのことを考えて、そういった背中をしっかり見せて、間違ったことは間違っていると言うことが、悪いことじゃないと。声を上げても、受け入れてもらえるような環境にしたい。(ジャニー氏の)罪は、もう消えないと思っています」 29日には、経済同友会の新浪剛史代表幹事が、ジャニーズ性加害問題について言及しました。 経済同友会 新浪剛史代表幹事 「被害者の方々が、満足いく形で救済されることは、ものすごく重要だと思います。また、ガバナンスで、やはり、知っていた方々が経営にいることは、被害を受けられた方々の心境を考えると、非常に厳しいなと思います」
ジャニーズ事務所は10月2日、再び会見を行う予定です。 ■家族に知られるのはつらい…それでも 山内あゆキャスター: ジャニー喜多川氏による性加害問題をめぐって、また新たに、1人の被害者が重い口を開きました。 元「Kis-My-Ft2」のメンバー飯田恭平さん、35歳です。 飯田さんは2001年、13歳の時にジャニーズ事務所に入所。そして2005年、ジャニーズJr.の中のグループ「Kis-My-Ft2」が立ち上がる時、8人の結成メンバーの1人に選ばれました。 ただ、CDデビュー前の2006年に「Kis-My-Ft2」を脱退。そしてジャニーズ事務所自体も退所します。このあと残った7人のメンバーで、「Kis-My-Ft2」は、2011年にCDデビューを果たしました。 飯田さんは、入所した13歳の時、ジャニー氏の自宅マンションで、初めて性被害を受けたそうです。それから、約5年間、被害は続きました。ジャニー氏は、寝ていた飯田さんに対して、マッサージをしていて、そこから性加害が始まったと、インタビューで話していました。 また、18歳になる頃にジャニーズ事務所を退所ましたが、この時、主な理由として「学業に専念したい」としていました。 ただ、本当は「(性加害が)理由の一つでは確実にある。期待をしてくれている家族に、悲しい思いをさせたくない面もあり、被害について言わなかった」と話していました。 そして2023年9月になって、「ジャニーズ性加害問題 当事者の会」に合流します。 今回、「黙っていたことによって、新たな被害者を生んでしまったのではないかと、ものすごく心の中で後悔があった」という思いがあったから取材を受けたと話していました。 井上貴博キャスター: テレビカメラの前で話すのは、勇気が必要だったと思います。少なくとも、被害者は数百人にのぼると言われている。話すことで再出発をしたい、と考える方もいれば、いや、話したいけれども話せない、という方も多くいらっしゃる。
いずれにしても、さまざまな方が、話したいタイミングがもしあるのであれば、そのタイミングで話せる環境が、いかに大切なのかというのを強く感じました。 日比麻音子キャスター: 言葉にすること、話すことが、全てではないと思います。話さないことによって、ご自身であったり、大切な方を守るという手段にもなると思います。ただ、20年以上、このタイミングで言葉にしていただいた、その勇気に感謝したいと思います。 ■被害補償の具体的方策は?社名変更は? 山内キャスター: そして10月2日、新たな動きがあります。ジャニーズ事務所が、再び記者会見を行います。どういう方が参加するかということは、はっきりしていませんが、注目なのは、被害者への救済についてです。 9月7日の会見では、「(被害者に対し)法を超えた救済や補償が必要だ」ということ、「(被害の認定については)厳密にするというより、緩やかにする」ということを話しました。ただ、細かい部分については、前回の会見の中では、詰められていませんでした。 ここから少しずつ状況が変わっていきます。 ジャニーズ事務所は、被害者救済委員会を設置。さらにウェブサイト上に、補償受付窓口を開設しています。対象は、現役の事務所に所属している人、以前所属していた人となっています。 補償について、具体的に対策をとっていくのが、「被害者救済委員会」です。 メンバーは、元裁判官の弁護士3人で、申告された内容、どの時期に所属していたのかなど資料を検討します。必要ならば面談などを行い、補償の金額を判断します。 判断については、委員会に一任されているので、ジャニーズ事務所側が関与することはなく、独立した外部の人間が判断をする、ということは決まっています。 再発防止特別チームは、調査報告書の中で、複数の証言から、少なく見積もっても、数百人の被害者がいるとしています。 10月2日の会見で、被害補償の具体的な方策、それから、社内でも意見がわかれているという社名の変更などについても、説明があるものとみられます。
井上キャスター: もともと解体的な出直しが必要だ、というふうに迫られていた中で、次回の会見で、どこまで言及があるのか。会見を受けて、テレビ各局がどう判断し、対応するのか。テレビ局とエンタメ企業の関わり方について、ルールやガイドラインなどが必要になってくるのではという気もします。いずれにしても、次回の会見で、大きな分岐点を迎えることになりそうです。
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