消費者庁は11月17日、「スマホで簡単 月収100万円」などとうたって消費者を副業に勧誘し、高額な“サポート料”を支払わせる事業者がいるとして注意喚起した。同庁の調査では、広告に表示された手法で月収100万円を稼いだ人はいなかったという。
同事業を展開していたのはクレヴァー(東京都中野区)とカーマイン(東京都新宿区)。2社は「1日15分の簡単な作業で月収100万円を稼げる」として消費者を副業に勧誘。2万円程度の作業マニュアルを買わせたり、高額な有料サポートプランを契約させたりしていた。いずれも2022年7月までに解散済み。
副業の内容は、消費者がInstagramアカウントを立ち上げて情報発信し、フォロワーの中からライブ配信者をスカウトするというもの。サポートプランでは「収益シュミレーション」(原文ママ)を提供し「算出した収益額は必ず達成できる」と説明。サポートプランの契約金を支払えない消費者には「和解同意書」に署名させ、契約金の一部を支払わなくてもいいとする代わりに、返金に応じないことに同意させていた。
消費者庁によると、事業者の公式サイトには1日15分の簡単な作業で月収100万円を稼げると表示されていたが、実際にはスカウトした配信者の収益の一部が入るという仕組みで、内容が説明と異なっていたという。表示していた収益額を達成した消費者も見つからなかった。
消費者庁は「簡単に高収入を得られる副業はありません」「冷静に周りの人に相談するなどして広告や勧誘の内容を吟味しましょう」と注意喚起。被害に遭った場合は消費者ホットライン「188」や、警察相談専用電話「#9110」に電話するよう呼び掛けている。