「スマートグリッドに商機」日本AEパワーシステムズ社長、河合忠雄さん

 日立製作所、富士電機システムズ、明電舎の送変電部門などを統合して設立され、9年過ぎた。設立当時は業界全体が落ち込み、合理化がうまくいかない時期もあったが、平成18年から世界的な景気回復で、統合効果が出てきた。
 今までは3社の取り組みの延長線上で仕事をすることが多かった。が、次世代型のスマートグリッド(賢い送電網)など新しい動きをとらえ、今後5年間で新たな飛躍につなげたい。
 スマートグリッドでは送電線網の構築が欠かせないが、1100キロボルトという世界最高電圧(UHV)の送電線技術の活用が期待できる。送電技術は東京電力などと開発し、昨年、世界標準電圧に認定された。送電時の電圧が高ければ高いほど、送電にかかるロスが少なく、省エネにつながる。このため、すでに中国では3カ所で実証設備が建設されている。このうち一カ所は当社が中国企業と建設しており、UHVが中国全土に広がれば事業規模として数兆円にもなる。
 ブルネイでは、大規模太陽光発電事業をパネルの据え付けから担当している。風力発電を含めた再生エネルギー関連の事業にも取り組みたい。
 21年度の売上高は950億円だったが、27年度に1500億円を目指す。そのカギを握るのは海外事業。可能な部品は現地調達でコスト競争力をつけ、4割程度の海外売上高比率を27年度に6割までもっていきたいと思っている。(談)
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▽日本AEパワーシステムズ 送変電設備の製造販売
▽本社・東京都港区
▽資本金200億円
▽従業員1400人
▽http://www.jaeps.com/index.html

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