「チョイ小型」車人気…数か月納車待ちも

狭い道路が多い国内で運転しやすいように、従来モデルより一回り小さくした新型車の発売が相次いでいる。
 自動車各社は、大きめの車が喜ばれる米国など海外市場での販売を増やすために、全面改良のたびに車体の大型化を進めてきたが、日本では「大きすぎる」との指摘も出ていた。
 富士重工業が5月に発売する新型のスポーツワゴン車「レヴォーグ」は2014年内に廃止する主力車「レガシィ・ツーリングワゴン」の後継モデルだ。レガシィより長さを10センチ短くして「日本専用に開発した」(吉永泰之社長)という。
 発売前なので試乗もできないが、1月4日から始めた先行予約では1か月で4000台を超えた。このペースでいけば3月末までに1万台以上の受注を抱える計算で、発売時点で数か月の納車待ちが予想される。
 レガシィはもともと5ナンバーサイズの小型車だったが、代を重ねるごとに大型化、現行モデルは3ナンバーの普通車となった。米国での販売を強化するため、09年の全面改良で長さや幅を大きくした。米国では人気車になったが、12年度の日本での販売台数は2万4207台とピーク時(96年度)の3分の1以下に落ち込んでおり、小型化で巻き返しを図る。
 トヨタ自動車は昨年12月にスポーツ用多目的車(SUV)「ハリアー」を全面改良し、車体を小さくした「日本専用モデル」として発売した。排気量も従来の2・4~3・5リットルから2~2・5リットルに小さくした。発売後1か月間の受注は計画の約8倍の2万台となった。ホンダが12月に発売した小型のSUV「ヴェゼル」も主力のSUV「CR―V」を一回り小さくしたモデルだ。

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