「私はNTTドコモの携帯電話を使っておらず、ドコモ口座の存在すら知らなかった」。七十七銀行(仙台市)の預金口座から、無断で開設されたドコモ口座に30万円を不正送金された宮城県の30歳代の女性は落胆した様子で語った。
被害に気づいたのは今月2日夜。銀行のスマートフォンアプリで残高を照会したところ、前日に身に覚えのない送金が4件あった。金額は10万円、9万円、9万円、2万円で、計30万円。送金先は「ドコモコウザ」と記載されていた。
翌3日、女性が銀行に相談すると、1日午後のわずか1分間に立て続けに送金されていたことが判明。対応した行員は、「責任を持って調査します」と言って口座凍結の手続きを取った。
女性はその後、警察に相談。ドコモの店舗にも足を運んで被害を訴えたが、担当者からは「ドコモ口座の開設者があなた本人ではないならば、情報の開示はできない」と説明された。
女性は、銀行口座が悪用された経緯に心当たりはないといい、「スマホなどでお金のやりとりができるのは便利だが、十分な本人確認なしに預金が移せるのはおかしい。銀行やドコモは、セキュリティーを見直してほしい」と話した。