一見、普通のおしゃれなインテリア家具が、実は猫用サイズ−。大川家具の高い技術力を知ってもらおうと、福岡県大川市の家具職人が作った「ネコ家具」が、愛猫家の人気を呼んでいる。ネコがベッドなどでくつろいでいる様子を撮影したCMや動画は、インターネットの動画投稿サイトでアクセスが殺到し、再生数は39万5700回(16日現在)を超えた。市は「世界中に大川家具の良さが伝わった」と手応えを感じている。
市がシティーセールスの一環として、市内の家具業者2社に製作を依頼。ソファは「広松木工」、ベッドは「立野木材工芸」が手掛けた。
ネコ家具は人間用の4割ほどの大きさ。ベッドは長さ73センチ、幅60センチ、高さ28センチ、ソファは幅80センチ、奥行き34センチ、高さ36センチ。細かな細工が必要なため、人間用家具より手がかかっており、製作には約2カ月を要した。
CMはいずれも15秒の「ネコソファ」篇と「ネコベッド」篇の2本、動画は1分間の「ネコ家具できました」篇を制作。市の職人MADE大川家具のネコ家具特設サイト(http://www.okawa−kagu.net/neko/)では職人たちのインタビューも公開している。
市が動画のアクセス先を分析したところ、日本と米国、フィンランドからの視聴が多かったという。台湾のメディアからの問い合わせもあった。
ソファとベッド、チェスト、テーブルの4点は同市向島の観光・インテリア情報ステーションTERRAZZA(テラッツァ)で公開中。「家具がほしい」との要望も高く、市は市販に向けて市内の業者と検討に入っている。市おおかわセールス課=0944(85)5570。
=2017/11/17付 西日本新聞朝刊=