ネット炎上をシミュレーションできるカードゲーム、その名も「大炎笑(だいえんじょう)」が遊びながら学べると話題です。家族や仲間と楽しめるのはもちろん、全国の小中高校100校以上でネット炎上を勉強できる教材としても使用されているのも興味深いところです。 【カード写真】「クサイ」「仕事以外で付き合うならそこそこいい人」…グサリとくる?カードに書き込まれた炎上ワードの例 ゲームデザインを手掛けたのは、80万部売れている「はぁって言うゲーム」を開発し、「ぷよぷよ」の企画監督も務めたゲームクリエイターの米光一成(よねみつかずなり)さん。どんなゲームなのか、話を聞きました。 ■相手を意識しながらリアルな“炎上”が体験できる! ルールは簡単。最初に「先生のことどう思う?」といったお題に対して「クサイ」「服がダサい」といった意見を紙に記入。参加者全員の判断でひどいコメントの順に1~4ポイントを決め、数字と「炎上コメント」が書かれたカードを読み上げながら重ねていきます。±1の数字であれば重ねて出すことも可能。コメントカードを重ねて意見をどんどん炎上させ、最もカードを多く重ねられた人が「大炎上」となり負け。その場で会見を開き、みんなに謝ります。 ■学校の授業で大盛りあがり! 遊びながら“炎上”を擬似体験 今や、小中高校の道徳の授業で使われているこのゲーム。楽しみながらも「これは言われると傷つく」「炎上が加速するとカードを出す手が止まらなくなった」「謝罪がすごく理不尽だった」と様々な気づきを、ゲームを通じて学ぶことができるのです。 運の要素が多いものの、おしゃべりな人が負けやすいなど、実際のネット炎上に近い傾向も。気心の知れた相手同士かつ決められたルールで行うから、炎上が起きても暗くならずに笑って楽しめる。ネット炎上をするとどういうことが起きるのか、ゲームで擬似体験することができるのです。 ■あるタレントの炎上体験がゲームの元に 企画チームの一員・滝口さんが、雑誌のインタビューで矢口真里さんの炎上体験を聞いた際、「炎上を体験できるゲームがあれば、予防や勉強になるのではないか?」とひらめいたそう。最初は授業で使うことなどは想定していなかったものの、発売後に学校の先生から授業で使用したという報告がちらほらと。現在販売中の4版は子どもたちだけでも楽しめるよう、よりルールがシンプルかつ短時間で遊べるようになっているそうです。 カードゲーム「大炎笑」は大型量販店やネットストアにて1セット2,200円(税込)にて販売中。カードゲームというリアルな場で、“これを言ったら相手がどう思うのか?”を想像したり実際に話し合うことで、ネット炎上について考えるきっかけになるのではないでしょうか。 (取材・文=みねほのか)